ヤマダ電機(本社・群馬県高崎市)は11月4日で道内の小型店4店舗を閉店する。同社は小型店展開を全国で進めてきたが、業績にブレーキがかかっていることから戦略を転換、大型店に経営資源を集中することにした。道内の小型店はいずれも開店から1~2年の新しい店舗。(ヤマダ電機は大型店の出店は継続する=写真は12月オープン予定のテックランド帯広2号店)
ヤマダ電機が閉店するのは、2011年10月にオープンした紋別店(紋別市落石町)や静内店(新ひだか町静内木場町)、美唄店(美唄市東4条)、深川店(深川市北光町)の4店舗。いずれの店舗も店舗面積が400坪程度で、人口2万人程度の地方都市での出店スタイルだった。
同社の4~6月期連結決算は38億円の営業赤字になるなど地デジ特需や家電エコポイントの特需反動が尾を引いている。また、「ヤマダで見てネットで買う」という消費トレンドに対抗した価格保証も採算悪化に繋がっている。
業界通によると、「かつてコジマが小型店展開で家電量販のナンバーワンになったことがあるが、ライバルの大型店攻勢に太刀打ちできずビックカメラの傘下に入った。家電量販では“300坪の呪い”という言葉があるくらいで、小型店は最初は良くてもやがて足下を揺るがすようになると言われていた」
ヤマダ電機は、小型店に乗り出したばかりだが、一気に戦略を転換、小型店の損益選別を進め撤退・継続の見極めをスピード感を持って進めることにした。同じ小型店だが、名寄店(名寄市徳田)は売上げが見込めるために閉店しない。
閉店する小型店は、いずれも敷地は20年間の定期借地権を設定して賃借しており、店舗建物はヤマダ電機が所有している。閉店後はヤマダ電機が他の物販店等に転貸する方針だという。
なお、大型店は今後も出店していく考えで、年内に恵庭店(恵庭市北柏木町2丁目)や帯広2号店(帯広市西5条37丁目)のオープンを控えている。