北海道でスーパー小型店の閉店続く

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 北海道で2025年9月20日と21日にスーパーマーケットの閉店が続いた。いずれも小型店で、物価高と人件費上昇による赤字幅の拡大で、存続は難しいという判断のため。(写真は、2025年9月20日で閉店した「ホクノー厚別5条店」)

 札幌市厚別区の地域密着スーパーを展開するホクノー(本社・札幌市厚別区)は、「ホクノー厚別5条店(愛称・ちびホク厚別5条店)」(同市同区厚別中央5条6丁目1-2)を、2025年9月20日に閉店した。1989年にオープンした売り場面積約80坪の小型スーパー。当初は、近隣にスーパーがなかったこともあって、順調に売り上げを伸ばし、利益も取れていたが、2000年頃になると大型店が近隣に進出、コンビニエンスストアも増えたことによって、収益が悪化、赤字が続いていた。ここにきて、食品値上げが相次ぎ、値上げ分を売価に十分に転嫁できないことや人件費上昇、設備老朽化というトリプルの影響で、継続を断念、36年間の営業を終えた。

(写真は、2025年9月21日に閉店した「ホクレンショップ東神楽店」)

 ホクレン商事(本社・札幌市北区)が運営する「ホクレンショップ東神楽店」(上川郡東神楽町北1条西1丁目)は、2025年9月21日で閉店した。こちらも、売り上げ不振で赤字が続いていたため。同店は、2000年9月のオープン。JA東神楽が建物を所有し、旧エーコープ旭川が運営していたが、2008年4月に旧エーコープ旭川など3社とホクレン商事が合併、ホクレン商事が運営を承継した。売り場面積は約250坪。年間売上高は、約3億円前後で推移していた。

 店舗オープンの3年後には、近隣にスーパーセンター業態の「ベストム東神楽店」(ひじり野南1条5丁目1)がオープン。それ以降は、採算が悪化して赤字が長期化していた。閉店後は、コープさっぽろ(本部・札幌市西区)が運営を承継するスキームで交渉が進んでいる。赤字店舗は、他店舗の利益で採算を合わせて運営するのが一般的だが、インフレ到来で赤字幅が拡大し、他店舗の利益では持ちこたえられなくなっている。老朽化している小型店の場合は、リニューアルもままならず、存続が難しくなっている。

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