北方ジャーナル10月号発売! 今月のトップは、独自スクープ「倶知安町・羊蹄山麓の違法開発を追う」

マスコミ

「北方ジャーナル」2025年10月号が、きょうから店頭に並んだ。今月のトップは、独自スクープ「倶知安町・羊蹄山麓の違法開発を追う」。テレビなどのマスコミが大きく取り上げた倶知安町巽地区の違法開発事案は、都市計画法の違反などを理由に道が6月下旬、事業者に工事の停止を勧告し、仕切り直しを余儀なくされた。そんな中、記者は報道機関として初めて開発エリアに入り、つぶさに現地を確認する機会を得た。さらに渦中の中国籍社長を直撃し取材を進めると、この地区は過去における原野商法の草刈場だったことも判明した。名峰、羊蹄山の麓で起きている違法開発事件の真相とは。(画像は、北方ジャーナル10月号の表紙)

 こちらも注目のスクープだ。北海道と東北北部の通関業務を担う函館税関(田中透税関長)で、不適切な当直勤務や文書偽造を告発する公益通報があったことがわかった。遅くとも3年前から寄せられていた通報により、内部では今春までに告発事案の事実関係が確認されたが、税関はいずれの事実も公表していない。疑われるのは、組織的な不祥事隠蔽。前身の箱館運上所から数えて160年あまりの歴史を持つその官庁で、何が起きていたのか。

 本誌の道警不祥事シリーズも必読。在職中に盗撮行為を繰り返していた元警察官に、執行猶予つき有罪判決が言い渡された。裁かれた行為は9件に上るが、地元警察が開示した公文書には起訴に到らなかった別の容疑の記録も残る。当事者の元巡査は保釈中の再犯で罪を重ね、しかしながらその後再び釈放されて自由の身となった。その人と同じ時期に処分されたほかの警察官たちの不祥事と併せ、現時点であきらかになっている事案の概要を報告しておきたい。

 日高管内の浦河町で4期16年にわたり町政を担ってきた池田拓町長(73)が任期満了に伴う町長選(11月25日告示、30日投開票)への不出馬をこのほど表明した。日本を代表するサラブレッドの生産地で「優駿のふるさと」として名高い同町は、精神障害者のコミュニティ「べてるの家」でも知られ、近年は夏イチゴの産地としても注目されている。勇退の節目に当たり本誌のインタビューに応じた池田町長は、「競走馬の育成においても外国人労働者の活用が進んでいる。次の町政でも外国人やハンディを持つ人との共生に力を入れてほしい」と願いを込めた。

 この外国人労働者の現状と課題とは何なのかを考えるのが、農業経済論が専門である北海学園大学経済学部教授の宮入隆氏(53)へのインタビュー。日本の農業基地としての北海道の役割は、全国的な米不足などの影響でさらに強まりそうだが、一方で懸念されるのが労働力の確保だ。牧場や畑などの現場では高齢化などにより働き手が不足し、代わって外国人労働者が急増している。その数は道内で現在約6千人。水産加工や介護分野などを含めた全業種では4万人にものぼる。だが彼らの受け入れ態勢の整備は、まだ道半ばだ。

 このほか、小樽市オタモイ海岸の断崖にある「オタモイ地蔵尊」の今後を追った地域レポート、京都の作庭家・甲田貴也さんが仁木町で農家に転身した話題、岩見沢市立総合病院と北海道中央労災病院が来年4月に経営統合するメディカルレポート、公開映画『でっちあげ』の原作者と「旭川事件」の元校長が地元で対談したレポートなどもオススメ。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル10月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。

※10月号主要コンテンツ
【報道】
■倶知安町・羊蹄山麓の違法開発を追う──巽地区の知られざる過去 中国籍社長の真意とは
■北の門番に不祥事隠蔽疑い──函館税関で不正告発 千歳支署の当直で勤務懈怠か
■道警不祥事から考える〈80〉──「極めて根深い盗撮癖が」 常習盗撮の元警察官に有罪判決
■冤罪救済「善は急げ」──再審法改正呼びかけに320人 弁護士会が市民向けイベント
■“核のゴミ”レポートPART45──「概要調査」の申請の前に立ちはだかる寿都町内の地質問題
■堂守が亡くなったオタモイ地蔵尊の行方──断崖に残された“小樽の原点”「オタモイ地蔵」の価値

【ニュース】
■公開映画『でっちあげ』の原作者と「旭川事件」の元校長が地元で対談
■北海道新聞が本誌編集部に抗議 前号記事に「二次被害招く」指摘
■オール北海道の反対で撤回に追い込まれた勇払原野の風力発電事業
■不動産のLAホールディングスが満を持して札証の本則市場に上場

【連載】──“核のゴミ”レポートPART45
■「概要調査」の申請の前に立ちはだかる寿都町内の地質問題

【シリーズ・住宅不動産情報】(33)──札幌中心部で続くホテル建設ラッシュ
■コロナ前から途切れず続く開業ススキノ、大通、駅北口に集中

【地域】──勇退する浦河・池田拓町長に「私の4期16年」を訊く
■進めた外国人や障害者との共生 競走馬の里に不可欠なインド人

【社会】──北海学園大学の宮入隆教授に「外国人材の現状と課題」を訊く
■社会の維持に不可欠として受「外国人材け入れ体制の整備が急務

【農業】──京都の作庭家・甲田貴也さんが仁木町で農家に転身
■耕作放棄地を開墾した無農薬、無化学肥料の「むすひ自然農園」

【医療】──新時代へ再整備される南空知医療圏
■岩見沢市立総合病院と北海道中央労災病院が来年4月、経営統合へ

【特別掲載】──鈴木翁二特選漫画館
■《歌の町》

【イベント】──「ほっかいどう住宅フェア 2025」開催へ
■「住まいとくらしのミライ博」で豊かで安全安心な未来を探そう

【長期連載】
●“農と食”北の大地から──当別町に行き先を失った牛たちの居場所を創った関口晴実さん
●ルポ「ひきこもり」(121)──小樽市福祉保険部・中村哲也部長に訊く「ひきこもり対策」
●戦争遺産をめぐる旅(117)──津軽海峡の防衛強化のために要塞化された函館山と砲台跡

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