2024年から2025年初めにかけて閉店した北海道のイトーヨーカドー6店舗のうち、承継店舗がオープンしていない1店舗を除いて、承継5店舗の明暗が見えてきた。ヨーカドー時代に収益の良かった店舗は、承継店舗も収益が良く、良くなった店舗は、承継店舗も良くないという当たり前の姿だった。(写真は、好調が伝えられている「ロピア屯田店」=2024年11月23日のオープン時)
昨年から今年初めにかけて閉店したヨーカドー店舗は、「帯広店」(2024年6月30日)、「屯田店」(同年7月28日)、「北見店」(同年8月18日)、「福住店」(同年9月23日)、「琴似店」(2025年1月5日)、「アリオ札幌店」(同年1月13日)の6店舗。これによって、ヨーカドーは、北海道半世紀の営業を終了した。閉店後にオープンした承継店舗を時系列で示すと、「ダイイチ稲田店」(2024年9月27日)、「ロピア屯田店」(同年11月23日)、「ロピア福住店」(2025年2月8日)、「ダイイチアリオ札幌店」(同年3月21日)、「ロピア琴似店」(同年5月8日)で、「北見店」は、「ドン・キホーテ」とされているがオープン日は未定。
承継店舗は、オープンから間もなく1年になる店舗から、3ヵ月になる店舗まで営業期間に幅があるが、スーパー業界から聞こえてくるのは、承継店舗の明暗。業界関係者は、「ヨーカドー時代に売り上げが良かった店舗は、『アリオ札幌店』と『屯田店』。それ以外の店舗は厳しかった。承継店舗でも『ダイイチアリオ札幌店』と『ロピア屯田店』は好調で、それ以外の承継店舗は厳しいようだ」と話す。
その言葉通り、「ダイイチアリオ札幌店」は、ダイイチの全26店舗中で一番の売り上げを確保。また、「ロピア屯田店」も開店初日に「ロピア」店舗の中で最高の売り上げを記録するなど、両店舗ともに店舗のポテンシャルをいかんなく発揮している。一方で、他の承継店舗からは、威勢の良い話は聞こえてこない。ヨーカドー北海道撤退の一因にもなった不採算店舗も含まれているとみられ、承継店舗もヨーカドー時代の器を打破しきれていない様子。良くなかった店舗をいかに良くするか、器をどう変えていくか、承継スーパーの底力が問われている。