「北方ジャーナル」2025年6月号が、きょうから店頭に並んだ。今月のトップは、独自に深層を掘り下げた「森町国保病院 巨額不正請求事案の怪」。道南の渡島半島にある名峰、駒ヶ岳の麓に広がる自治体、森町(岡嶋康輔町長・人口約1万3千人)。ここで明らかとなり一部マスコミにも報じられたのが、森町国民健康保険病院(60床・開設者森町長)の診療報酬不正請求事案だった。昨年暮れに国から指摘を受け、返還を求められることになった金額は実に3億円超え。事務方に加え経営企画統括監まで配置し、運営体制に万全を期していたはずの森町国保病院でいったい何が起きていたのか──。(画像は、北方ジャーナル6月号の表紙)
本誌が「告発・陸の蟹工船」として報告している障碍者虐待問題で、新たな疑惑が持ち上がった。問題が取り沙汰されている恵庭市の牧場で起きた事故で、怪我をした従業員に無断で労働災害が申請され、牧場主らが不正に休業補償などを受給していたという。札幌で続く裁判では牧場側が元従業員らを「労働者でない」と主張しているが、労災申請の書類では「労務者」扱いに。事実を掘り起こした訴訟代理人らは、憤りとともに訴える。「障碍者を不正の道具にする行為は、到底許されない」
昨年2月号の本誌面で報告した、苫小牧に本社を置く公益企業のパワーハラスメント疑い。暴言などの被害を労災認定された元子会社役員の裁判が続く中、本社内からも新たな告発の声が上がっていたことがわかった。証言の主は本来ならば現在もその職場に籍を置いている筈だったが、社内で目の当たりにした社長のハラスメントを諌め続けた結果、退職に追い込まれることになったという。社を離れた今も声を上げ続けるその人は、渦中の社長がよく知る人物──実の弟だ。
本誌独占の「道警不祥事から考える」シリーズでは、本年最初の3カ月間に記録された処分・措置の概要をお伝えしたい。法令違反や深刻なハラスメントが疑われる事案は年が変わっても絶えることがなく、その多くは公文書開示請求という手段で確認することができる。定期的な請求でわかった直近の事実とは──。
このほか「旭川少女いじめ凍死事件」の当事者のひとりである旭川市立北星中の金子圭一元校長が札幌で開いた反論会見レポート、乗っ取り騒動に揺れる札幌のフットサル場「蹴」の従業員による労組結成の動きなどを追った続報、大規模な宅地分譲は「今や昔」となった札幌市内の戸建て分譲用地の現状を探った「シリーズ・住宅不動産情報」、がん拠点病院「恵佑会札幌病院」の泌尿器科に専門医が着任しダヴィンチ手術が再開されたメディカルレポートなどもオススメ。道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル6月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下にある同誌のバナーをクリック。
※6月号主要コンテンツ
【報道】
■森町国保病院の診療報酬不正請求を追う──機能しなかった「万全の体制」、のしかかる3億円の返還義務
■告発・陸の蟹工船(10)──恵庭・障碍者虐待で新事実 牧場側が労災不正受給の疑い
■苫小牧・老舗ガス業者で“独裁”か(2)──ガス会社パワハラで新証言 実弟告発「社長は退任を」
■道警不祥事から考える(77)──道警処分等“第1四半期”速報 傷害の警察官は「訓戒」留まり
■「いま、シリコンバレーでの汚染の歴史を教訓に」ラピダスの公開学習会で浮き彫りになった道民の懸念
【ニュース】
■「旭川少女いじめ凍死事件」の当事者、北星中元校長が札幌で反論会見
■フットサルスタジアムの従業員が未払いの給与を求めて労組を結成
■陸自不祥事、開示は1年がかり 道内自衛官処分記録、一部揃う
■どうなる江差町の新しい「道の駅」 議会や町民らから相次ぐ疑問の声
■仁木町で24年ぶりの選挙戦に出馬 現職相手に善戦した新人の宮下氏
【シリーズ・住宅不動産情報】(30)──不足する札幌市内の戸建て分譲用地
■大規模な宅地分譲は「今や昔」か 記者が歩いて見つけた適地とは
【追悼】──日本清酒の社長と会長を歴任した白髪良一さん
◾️老舗酒造会社の事業改革に道筋 経営巡りメイン銀行を外す気骨
【医療】──がん拠点病院「恵佑会札幌病院」に久末伸一医師が着任
◾️泌尿器科で再開された待望のダヴィンチ手術 メンズヘルスにも外来で対応
【企業】──人口減・少子高齢化社会での地域活性化策
■健康寿命延伸でもみじ台を元気に ホクノーに学ぶ地域課題の処方箋
【地域文化】──小樽まち文化博物館で企画展「回転レストランと宿文化」
◾️消えていった回転レストランを通して「北の宿文化」を振り返る
【社会】──就労継続支援B型事業所が取り組む古着のネット販売
◾️NPO法人 楽しいモグラクラブが「やりがい」と「賃金アップ」を両立
【長期連載】
●“農と食”北の大地から(210)──農的な暮らしや芸術文化を考える「余市農芸学舎」の取り組み
●ルポ「ひきこもり」(117)──「小樽不登校・ひきこもり家族交流会」の現在【3】
●戦争遺産をめぐる旅(114)──いまなお戦争当時の威容をとどめる大阪城近くの旧陸軍第四師団司令部