コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の2024年度(2024年3月21日~2025年3月20日)決算は、総事業高(売上高)3091億3200万円、事業剰余(営業利益)50億9400万円、経常剰余(経常利益)55億3400万円となり、前期比2・1%の増収、8・1%の事業剰余減、6・9%の経常剰余増だった。当期剰余(当期利益)は最終調整中だが、23億円を予定、前期比18%減となりそう。繰越欠損金は、前期105億円あったが、今回の当期剰余金を充当して、82億円に圧縮する予定。(写真は、コープさっぽろの本部)
総事業高3091億3200万円の内訳は、店舗事業が1871億2700万円(前期比1・8%増、宅配事業が1167億2000万円(同3・2%増)、共済事業が22億4000万円(同1・0%増)、配食事業やエコセンタ―事業などのその他事業は30億4500万円(同19%減)。店舗事業は、仕入れ商品の値上がりを店頭価格に十分に転嫁できなかったこともあって、事業剰余段階で、赤字が35億円に拡大した。そのうち価格転嫁が進まなかったことが原因の赤字幅は、10億円という。店舗の減損損失15億円も響いた。大見英明理事長は、「店舗事業は、コロナ禍の2020年度に7億円の黒字になったが、以降は、赤字から脱却できていない。インフレによる仕入れ商品値上がりで、黒字化は見通せなくなった。これをどうするかだ」と特効薬がない現状を示した。
宅配事業は好調で、事業剰余は約70億円だった。宅配事業の利益で、店舗事業の損失を埋める構図が続いている。経常剰余が前期比6・9%増となったのは、関連会社の業績が好調で、配当金や経営指導料が前期より7億円程度増えて、17億円になったことが主な要因。これによって、本業の減益分をカバーした。
店舗と宅配を合わせた客数は前期比99・4%、客単価は同102・4%、一人当たり買い上げ点数は98・6%だった。「ロピアが昨年後半から出店したが、価格面で我々は静観した。一方、アークスは、値下げなどの徹底した対抗策を打った。これによって、組合員の一部が(ロピアではなく)アークスに流れて、客数減に繋がった」(大見理事長)と分析した。