イトーヨーカドー屯田店の食品売り場の跡に入った「ロピア屯田店」(札幌市北区)。2024年11月23日のオープン日には、約1万5000人が訪れ、「ロピア」のオープンでは、過去最高の売り上げを達成したという。しかし、近隣の交通渋滞や、入り切れないお客が他店に出向くなど、負の面も生じた。2025年2月にオープンする「福住店」(札幌市豊平区)は、「屯田店」と周辺環境が大きく異なる。「屯田店」の再来なら、交通渋滞ではすまない。降雪期と重なり、交通マヒになりかねない。(写真は、2025年2月に「ロピア福住店」が、核テナントになって全面オープンする「CiiNA CiiNA福住」)
「ロピア屯田店」のオープン時に、びっくりしたことがある。新店やリニューアル、繁忙期(例えばザ・ビッグの5フの日)などでは、警備員が交通誘導をするのは当たり前なのに、「ロピア屯田店」には、その姿がなかったことだ。駐車場に入ろうとする車は、数珠繋ぎになっていたが、ドライバーは、交通ルールやマナーを守っていたため、それほど混乱はなかった。警備員の代わりに、エプロン姿の店員が、寒空の下で慣れない交通誘導をする姿が見られた(※オープン以降は、警備員が交通誘導する体制を導入している)。
屯田地区は、駅からも離れており、交通量もそれほど多くない道路に接しているため、混乱というほどの交通渋滞は生じなかった。しかし、ヨーカドー福住店跡の「ロピア福住店」は、周辺環境が大きく異なる。地下鉄駅とバスターミナルに直結しており、交通量が多い国道36号と接している。さらに降雪期で、少しのアクシデントでも渋滞になってしまうゾーンだ。「大和ハウスプレミストドーム」のイベントと重なれば、状態はさらに悪化する。
もう一つの懸念材料は、自走式の立体駐車場しかない点。「屯田店」には、立体駐車場と店舗前の平面駐車場があったため、分散が可能だった。それでも、「屯田店」のオープン時を見る限り、「ロピア」の交通環境に対する向き合い方は万全ではなかった。その教訓を生かさなければ、ターミナル立地の「福住店」は、交通マヒの元凶になってしまうだろう。道警や交通局、各バス会社との入念な調整は不可欠だ。そのことが、同じくターミナル立地の「琴似店」(札幌市西区)開業時のシミュレーションにもなる。