「イトーヨーカドー釧路店」(釧路市新橋大通6丁目)が閉店してから6年、後継テナントが入らず、空きビル状態が続いている。釧路市と釧路郡釧路町の釧路圏のGMS(総合スーパー)は、「イオン釧路昭和店」と「イオン釧路店」の2店舗で均衡が保たれている状況だけに、建物所有者が目指す、地域活性化拠点複合施設への整備が待たれる。(写真は、白看板のまま6年が経過する旧「イトーヨーカドー釧路店」)
「イトーヨーカドー釧路店」は、1981年7月にオープンした地下1階、地上3階建てで、売り場面積は約2900坪(約9600㎡)。建物はサトービル(釧路市)が所有しており、イトーヨーカドーは、賃借期限を延長せず、2019年1月20日に、37年間の営業を終えた。後継テナントとして、閉店後すぐに「ドン・キホーテ」の出店が噂されたものの、立ち消えとなった。その後は、後継テナントについての話題がのぼらなくなり、具体的な動きのない状態で、間もなく6年になる。
「イトーヨーカドー釧路店」と前後して、2019年9月に閉店した「イトーヨーカドー恵庭店」は、閉店してから2年5ヵ月後の2022年2月、近隣にある「恵み野病院」を運営する社会医療法人北晨会が、土地建物を取得、その後、建物は解体されて、現在は、更地になっている。また、2021年5月に閉店した「イトーヨーカドー旭川店」跡には、「メガセンタートライアル旭川店」が、わずか7ヵ月で居抜き出店、2022年7月に閉店した「イトーヨーカドー函館店」跡には、2年半後の2024年12月に、「スーパーセンタートライアル」を核テナントとする「グランディールイチイ」がオープンしている。
釧路圏の商業集積は、中心部から郊外へという流れが続いている。日本製紙釧路工場の一部敷地を利用して、大型ホームセンターを核とする「ジョイフルタウン」の建設工事が、2025年夏オープンを目指して進んでいるほか、釧路町の「DCM木場店」横では、「業務スーパー」の建設も始まった。閉店から6年、副都心商業地に位置する旧「イトーヨーカドー釧路店」の跡利用に向けた模索が続く。