「うらかわ優駿ビレッジAERU」(以下アエル、浦河郡浦河町)は、馬産地ならではの乗馬体験など馬との身近なふれあいや、かつての重賞レースで優秀な成績を残した引退功労馬の見学もできる宿泊施設。その「アエル」のスタッフたちが、地元菓子店の協力を得て開発、2024年夏から秋にかけて限定販売した功労馬モチーフのパンや菓子が、大きな話題を呼んだ。(写真は、2024年9月に限定販売した「うまんじゅう」=写真提供はいずれも「うらかわ優駿ビレッジAERU」)
(写真は、2024年8月に限定販売した「うまコッペ」)
企画したのは、「アエル」乗馬課の太田篤志マネージャー。「アエル」では、ここで暮らすサラブレッドの近況などを積極的にSNS発信しているが、2024年3月に、功労馬の1頭である「オウケンブルースリ」(2008年菊花賞・2009年京都大賞典の優勝馬)の顔のアップ動画を投稿したところ、フォロワーから「似ている」とクリームサンドコッペパンの画像がリポストされた。
(写真は、クリームサンドコッペパンを連想させるオウケンブルースリの顔)
同馬の特徴は、栗毛の顔の中央に走る太い白毛(※大流星と呼ばれている)で、見た目は、このパンとよく似ている。そこで太田さんは、複数の流星の入った馬の顔の写真に、クリームコッペの写真を入れるという、間違い探し企画を乗馬施設やSNS上で実施、大きな反響があった。
そこで、地元の「梅月堂手取菓子舗」に「オウケンブルースリ」がモチーフのクリームコッペ作りを直談判。同店側も「面白そう」となり、試行錯誤を重ねて完成させた。2024年8月1日から4日にかけて「アエル」で限定販売したところ、町民はもとより、SNSなどで知った町外からも多くの人が訪れ、行列をつくるほどの人気になって完売した。
同年9月には、馬のお尻がお饅頭に似ていたところに着想を得て、「うまんじゅう」を限定販売。同品では、「オウケンブルースリ」のほか「スズカフェニックス」(2007年高松宮記念・同年阪神カップの優勝馬)、近年は、モチーフのウマ娘も登場している「ナカヤマフェスタ」(2010年宝塚記念優勝、同年凱旋門賞2着)などをかたどった饅頭も展開。同品も即日完売の大人気だった。一連の取り組みについて、太田さんは、「これからも、『アエル』で暮らす馬たちに会いたいと思ってくださる方々が増えるよう、いろいろなきっかけづくりを行ってきたい」と話している。