北海道で人口増の町に新たなスーパーマーケット、「ラッキーマート南幌店」勝算の裏側

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 北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)は2024年11月26日、「ラッキーマート南幌店」(空知郡南幌町中央2丁目1-3)をオープンさせた。開店前に、店舗前でオープニングセレモニーが行われ、来賓として出席した大崎貞二町長は、「町民の利便性向上や地場産品の消費促進、雇用創出が図られ、この店舗を核として、新たなコミュニティが生まれることを期待したい」と祝辞を述べた。(写真は、「ラッキーマート南幌店」のオープニングセレモニー)
(写真は、行列をつくって開店を待つ町民ら)

「ラッキーマート南幌店」は、町有地を北雄ラッキーが賃借して、自前で店舗を建設した。隣接して「ツルハドラッグ南幌店」、「DCMニコット南幌店」がある。店舗面積は約288坪(952㎡)で、小型サイズのスーパーマーケット。町内には「エーコープなんぽろ店」があるが、人口増が続く同町の町民からは、新たなスーパーマーケットの進出を望む声が役場に多く寄せられていた。町としても、町外への消費流出抑制と市街地活性化のために商業施設を誘致、同社が、名乗りを上げて今回のオープンに繋がった。

(写真は、混み合う店内)
(写真は、びらとり牛の「凍眠」商品)

 朝靄(あさもや)が立ち込め、徐々に晴れていく中、町民が並ぶ前で、オープニングセレモニーが行われた。大崎町長に続いて挨拶した北雄ラッキーの桐生宇優社長は、「地元商品をできる限り取り扱って、地域活性化を行っていきたい。地域のインフラとしてだけではなく、地域の社会、経済にできる限り貢献していきたい」と話し、側瀬敏彦・町議会議長や和田修・町商工会会長、お客代表者ら5人がテープカットを行った。

 新店舗では、地元のジンギスカンやキムチ、農産物など地元商品を揃えているほか、家族連れ世帯では、冷凍品のニーズも高いことから、精肉や鮮魚、青果の冷凍商品も豊富に揃えている。精肉冷凍品には、びらとり和牛の「凍眠」(急速液体冷凍機を使って冷凍した商品名)商品も扱っている。隣接して「ツルハ」、「DCMニコット」があるため、住居・日用品系を絞り、食品のアイテムを増やしており、中型店並みの品揃えとした。

(写真は、デリカ売り場)
(写真は、青果売り場)

 また、オペレーションの低コスト化を図るため、青果、精肉、鮮魚などの部門制を廃止、品出し部門とインストア製造部門にした。社員は店長1人、パート・アルバイト約30人で運営するため、人件費は、同サイズ店舗より30%ほど低減できる。レジは、フルセルフ5台だが、有人レジに切り替えらるリバーシブルタイプ。電子棚を導入して、自動発注を進化させているほか、AI音声による店内案内なども取り入れた。

 桐生社長は、本サイトに「これまでの小型店で蓄積した、実績を集大成したローコストオペレーションの店舗になっている。今後の地方展開のモデル店舗になるだろう」と話した。年間売り上げは、初年度6億円を予定している。

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