コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は2024年11月14日(木)、「コープさっぽろ ぬまのはた店」(苫小牧市北栄町1丁目17-26)をオープンさせる。周辺エリアは、市内でも人口が増加している地域で、子育て世代が多い一方、単身世帯の割合も高い特徴がある。新店舗では、2つのコア層に向けた商品を強化する。(写真は、2024年11月14日にオープンする「コープさっぽろ ぬまのはた店」=2024年10月17日撮影)
「コープさっぽろ ぬまのはた店」は、既存店として営業している「フードD生鮮市場沼ノ端店」と向かい合っており、「マックスバリュ沼ノ端店」とも近い。狭小エリアにスーパーマーケット3店舗が集積することについて、コープさっぽろは、「人口が増加して市場が伸びているため、3店舗の共存は可能」としている。2025年2月には、近接して「無印良品コープさっぽろ ぬまのはた」がオープンする予定で、このエリアへの集客力が高まり、スーパー3店舗の来店客も増えると見込んでいる。
コープさっぽろは、苫小牧市内で旧道央市民生協の店舗を承継するなどして、直近は、6店舗を展開していた。老朽化している店舗が多く、不採算店舗も増えてきたことから店舗戦略を練り直し、市の東部で空白地域だった沼ノ端地区に新規出店するとともに、西部の不採算店舗だった「ときわ店」と「桜木店」を2024年10月に閉店した。
今回オープンする「ぬまのはた店」は、2店舗閉店後の失地回復という側面と、対「イオン」に向けた戦略店舗の位置付けもある。イオン北海道(本社・札幌市白石区)は、今年7月に「マックスバリュ苫小牧清水店」を出店し、GMS(総合スーパー)の「イオン苫小牧店」を加えると8店舗を展開している。苫小牧地域で、イオンは、最大シェアを誇っているものの、「マックスバリュ」は、自店競合も一部で発生するなどしている。新店の「苫小牧清水店」の周辺にある既存ライバルスーパーの売り上げが、それほど落ちていないとされ、多店舗化による個店当たりの集客力の低下も懸念される。
「コープさっぽろ ぬまのはた店」は、そうしたイオンの伸びた兵站の隙を突く戦略店舗として位置付けられている。日高地区でのコープ店舗建て替えに際しては、こうした対「イオン」姿勢が奏功した実績があり、苫小牧での再現を狙う。なお、苫小牧市内で3店舗を展開するラルズ(本社・札幌市中央区)は「ビッグハウス」を今年、全て「スーパーアークス」に転換した。「コープさっぽろにとって、一番怖いのは『スーパーアークス』。イオンは、手の届くライバルと見て、積極的に攻める戦略を取っているのだろう」(業界関係者)。苫小牧地域は、スーパー3強の今後を占う縮図となるかもしれない。