網走で40数年ぶりに酒蔵復活、建設場所はオホーツク海が一望できる天都山山頂付近

経済総合

 上川大雪酒造(本社・上川郡上川町)が、道内4ヵ所目となる酒蔵を網走市に建設することになったが、建設場所は、網走観光の名所「天都山・オホーツク流氷館」のすぐ近くで、オホーツク海や知床連山が望める場所に決まった。2026年夏には、網走の地酒が飲めるようになる。
(写真は、上川大雪酒造の酒蔵建設が予定されている天都山山頂付近。下の写真の建物は「天都山・オホーツク流氷館」)

 上川大雪酒造は、2024年8月に、日本酒の醸造に向けた協定を網走市、大空町と締結、網走市内で酒蔵建設に向けた動きを始めている。網走の水と大空町で栽培される酒造好適米を利用するが、網走市の水は、藻琴山の湧き水を利用しており、年間を通して8℃程度とされ、ミネラル分も多い。かつては、その水を利用した地元の酒蔵、田辺本店が「君が袖」を醸造していたこともある。田辺本店は、1982年に倒産、地酒は消えた。その後、市の酒小売組合が金滴酒造(本社・樺戸郡新十津川町)に生産を委託、地元ではない蔵元による地酒が復活している。

 今回は、田辺本店以来、40数年ぶりの地元酒蔵の復活となり、2025年6月頃の着工に向け、準備が進んでいる。蔵の建設場所は、天都山山頂にある「天都山・オホーツク流氷館」の第2駐車場近くの市有地。市は、観光振興の一環として、土地の測量など調査費を支出しており、既に土地には、境界標となる赤色の杭が土に埋め込まれている。

 上川大雪酒造は、本社のある上川町に「緑丘蔵」、帯広畜産大学構内に「碧雲蔵」、函館市に「五稜乃蔵」を設けている。今回の網走市の蔵名や酒の名前はまだ決まっていないが、どうネーミングされるのか、地元では期待が高まっている。順調にいけば、2026年6月頃に醸造開始となり、2ヵ月後には、出荷が始まる見通し。

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