長く塩漬け状態にあって現在、時間貸し駐車場として利用されている札幌中心部の土地がようやく動き出した。東証1部上場の常和ホールディングス(本社・東京都中央区)傘下の常和ホテルは宿泊特化型ビジネスホテル「ユニゾイン札幌」を札幌市中央区北1条西3丁目に建設、2015年秋に開業させる。(写真は、ユニゾイン札幌が建設される北1西3の土地。現在は時間貸し駐車場として利用されている)
土地面積は約734㎡。所有者はみずほ信託銀行で常和ホテルが信託受益権を取得している。駅前通には面していないが北2条通との交差点に近く、地下歩行空間の出入り口ともほど近い。
常和ホテルは、ビジネスホテルの「ホテルユニゾ」7館と「ユニゾイン」2館を東京、名古屋、大阪に展開、福岡には「ホテルクレガ天神」を所有運営している。
「ユニゾイン札幌」は、地下1階、地上12階で客室数223室を予定。延床面積は5885㎡になる。常和ホテルは、ホテル事業の全国展開を目指しており、これまで拠点のなかった北海道に初進出、全国展開に弾みをつける。
この土地は、現在時間貸し駐車場として利用されているが、もともとはヨコエビルとホテルリッチが建っていた場所。当時の土地建物所有者は、ユニバーサル(栃木県小山市)からシステムタック(東京都江東区)、オウミ総合管理(滋賀県草津市)、エフエルシー(札幌市)、リアライズ(札幌市)と次々に代わり、2007年にアトリウム(東京都千代田区)が取得。その後、ホテルリッチは閉鎖されヨコエビルとともに解体、更地になり時間貸し駐車場となっていた。
今年に入って所有権がみずほ信託銀行に移転、同日付けで信託受益権を常和ホテルが取得した。
解体からほぼ4年、所有者が転々とした塩漬けの土地がようやく動き始めたことで、他の市中心部遊休地にも開発の動きが波及していきそうだ。