医療・介護用ベッドや車椅子、介護リフトなどヘルスケア機器を製造・販売しているパラマウントベッド（本社・東京都江東区）は、札幌支店（札幌市中央区南2条西13丁目318番11）を体験型ショールーム「Paramount Concept Design Studio Sapporo」にリノベーション、2024年5月7日にオープンさせた。主力の病院や介護施設などBtoB分野に加えて、近年力を入れているBtoC分野にも対応、ベッドやヘルスケア機器の疑似体験を通じて、各製品の特長を体感してもらうのが狙い。
（写真は、体験型ショールーム「Paramount Concept Design Studio Sapporo」にリノベーションしたパラマウントベッド札幌支店）
パラマウントベッド札幌支店は、1981年に開設され、1997年に現在の5階建てビルに建て替えられた。同社は、医療、介護用ベッドの国内シェアトップで、販売先は病院や介護施設など、いわゆるBtoB分野が中心。そのため、札幌支店は、オフィスのほかBtoB向けショールームの機能を備えていたものの、物流・倉庫としての利用が中心だった。
最近では医療、介護で蓄積した技術を一般個人向けベッドにも応用、健康をキーワードにした事業展開も行っており、同支店内にもBtoC向け「眠りギャラリー」を開設するなどしてきた。そうした中、支店ビル全体をパラマウントベッドのビジョンを体現したショールームにする構想が浮上、大掛かりなリノベーションを経て、このほど「Paramount Concept Design Studio Sapporo」が誕生した。
（写真は、5階の映像を利用した商談コーナー）
リノベーションよって5階建て支店ビルは、4階のオフィスフロアを除いて医療、介護、健康の事業領域ごとに各階がゾーニングされた。各階を回ることによって、医療・高齢者施設向けの製品や個人向け製品の使い心地を体感することが可能になっている。5階は、「メディカルケア・ソリューションステージ」で、医療・介護用ベッドやセンサーによって呼吸、心拍の状態が分かる見守り支援ベッド、ナースコールと連動したデジタルソリューシーョンも揃えている。映像を使いながら、製品の特長を踏まえた商談ができるスペースや病院居室をイメージした、可動壁の間仕切りコーナーもある。また、パラマウントベッド創業者が好んだ狸の置物2体と1993年に初めて登場した在宅ケアベッド「楽匠（らくしょう）」のプロトタイプも展示され、同社の沿革に触れられる一角もある。
（写真は、3階のICUベッド）
（写真は、3階のシャワーベッド）
3階は「クリティカル&バスイングケア・ソリューションステージ」。20㎡の集中治療室（ICU）を想定、ICUベッドを設置して、ベッド周りのガス配管、医療機器のソリューション提案ができるようになっている。また、ベッドに横になったまま入ることができるシャワーベッドも、実際に利用できるようにしている。2階は、倉庫だったフロアを「ナーシングケア・ソリューシュンステージ&ウェブスタジオ」に変えた。ベッドや車椅子、歩行器などが展示され、セミナーが行えるスペースも確保した。また、オンラインセミナーのスタジオも設けており、医療・介護向けセミナーの自社開催などに利用していく。
（写真は、2階の「ナーシングケア・ソリューシュンステージ」）
（写真は、1階の「Active Sleep」の体験で利用できる睡眠指数）
1階は、「眠りギャラリー」としてBtoCの発信拠点にした。一般家庭向け「Active Sleep」シリーズや「INTIME」シリーズのベッドが展示されている。「Active Sleep」を、フルモデルチェンジした新製品も展示されており、ベッドの角度やマットの硬さの自動調整機能、睡眠を感知して1分間に1度ずつ角度を変えていく機能、睡眠時の呼吸や心拍数を検知して、眠りの採点ができる機能などを体験できる。元々はトラックヤードだった場所で、天井が高く、トラックバースもあったが、その高低差を利用して中2階のようなフロアを配置、デザイン性の高い空間になっている。5階から1階までのショールームの広さは、合計約700㎡。
（写真は、北嶋孝幸支店長）
パラマウントベッド札幌支店の北嶋孝幸支店長（56）は、「私たちが2030年に向けたビジョンとしている《「医療」「介護」から「健康」まで すべての人に笑顔を》を、北海道で分かりやすく体現できる空間になった。BtoB、BtoCの分野で、当社製品の体験・ソリューション拠点にしたい。また、イベントやセミナースペースの新設により、地域への健康に関する発信拠点としても活用、北海道の健康産業に貢献していきたい」と話した。リノベーションを記念して、1階の「眠りギャラリー」では、「眠りの5DAYS」を2024年5月14日（火）から18日（土）まで開催する。いずれも10時～18時。
