「北海道におけるGXビジネスの未来」開催、村瀬佳史・資源エネルギー庁長官「グリーンエネルギーで国内最大の適地」

経済総合

 2023年6月に発足した、産学官金21機関からなるコンソーシアム「Team Sapporo-Hokkaido」の主催によるセミナー「北海道におけるGXビジネスの未来」が2024年3月9日、札幌市中央区の札幌プリンスホテル国際館パミールで開催された。会場には約500人が集まり、オンライン参加で道内外1500人が視聴した。(写真は、基調講演する資源エネルギー庁・村瀬佳史長官)
(写真は、「北海道におけるGXビジネスの展望」をテーマに行われたパネルディスカッション)

 基調講演では、資源エネルギー庁の村瀬佳史長官が登壇。村瀬氏は、「北海道は、風力、太陽光、地熱といったさまざまな可能性があり、グリーンエネルギーでは日本最大の適地だと思う。ポテンシャルが最大限発揮され、日本、世界の中で先行的な、世界が憧れるビジネスが生まれるように私たちもしっかり取り組んでいく」と話した。
 その後、資源エネルギー庁の井上博雄省エネルギー・新エネルギー部長が、「GX実現に向けた取組について」、札幌市の秋元克広市長が「GX・金融コンソーシアム『Team Sapporo-Hokkaido』の取組について」、道の土屋俊亮副知事が「地域と共生する北海道版GXの推進について」をテーマにそれぞれ講演した。

「北海道におけるGXビジネスの展望」をテーマにしたパネルディスカッションも行われ、ユーラスエナジーホールディングスの秋吉優副社長執行役員、北洋銀行の安田光春頭取、北海道銀行の兼間祐二頭取らが登壇した。
 秋吉氏は、「日本で一番安いグリーン電力を使った水素製造を道内でぜひ実施したい。データセンターでは、安いグリーン電力を使いたいというお客が増えており、風力発電の設置場所に近いところにデータセンターを作っていただくことによって地方分散、情報レジリエンス、減災、防災に繋がるようにするなど、北海道におけるGXビジネスの拡大に寄与できるように取り組みたい」と述べた。

 安田頭取は、「当行は、環境保全、気候変動など環境課題の解決に資する投融資として2021年度から10年間で5000億円の実行を目標にしている。石狩湾で稼働している洋上風力にも支援しており、金融面から環境保全や社会課題の解決に貢献したい。また、アジアを含む外国人材の相互連携を深めることで、GXビジネスの発展に貢献したい」と話した。

 兼間頭取は、「GXプロジェクトを進めていくには、多くの資金が必要になるため、メガバンク、DBJ(日本政策投資銀行)に入っていただかなければならないが、当行や北洋銀行、信用金庫、信用組合を含めた、オール北海道の金融機能を集中させたい。起爆剤となる投資の仕組みであるファンドを育て、このファンドに世界から資金が集まる仕組みをつくっていくことが求められる。また、政府のGX推進機構の立ち上げが進められているが、地域の金融機能を高めていく仕組みをぜひ盛り込んでもらいたい」と語っていた。

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