ドラッグストア業界の再編が大きなうねりとなっているが、業界6位のスギホールディングス(HD、本社・愛知県大府市)が、2024年8月に阪神調剤グループのI&H(同・兵庫県芦屋市)を子会社化することに伴い、北海道に足場を築くことになった。(写真は、I&Hが展開する「みらくる薬局」)
スギHDは、関東、中部、関西、北陸信州エリアに「スギ薬局」を1718店舗(2024年2月末)展開しており、ドラッグ業界では6位の売上高(2024年2月期予想7425億円)を持つ。調剤薬局の併設比率は85%と、業界ではナンバーワンとなっている。
I&Hは、阪神調剤が展開する調剤薬局を中心に、介護・福祉、ヘルスケア、医師開業コンサルティング、認定栄養ケアステーションなどの事業を展開している。2023年5月期の連結売上高は2233億300万円、営業利益は42億6700万円、純利益は17億2500万円。スギHDは、2024年8月30日の予定で、I&Hの株式を所有する岩崎裕昭社長ら大株主3人から、発行済みの株式の61・89%に当たる1080万株を取得する。これによって、I&HはスギHDの子会社になる。I&Hグループの阪神調剤薬局は、北海道でも「みらくる薬局」を中心に調剤薬局34店舗を展開している。
ドラッグストア業界では、2位のツルハホールディングス(本社・札幌市東区)が、1位のウエルシアホールディングス(同・東京都千代田区)を子会社化するため、業界1位が事実上、北海道にも橋頭保を持つ。3位のマツキヨココカラ&カンパニー(同・同都文京区)は、「マツモトキヨシ」「ココカラファイン」「スズラン薬局」ですでに拠点を持っている。4位のコスモス薬品(同・福岡市博多区)は北海道の店舗進出していないが、5位のサンドラッグ(同・東京都府中市)は子会社、サンドラッグプラス(同・札幌市東区)で道内3位の地位を確立している。今回、6位のスギHDが調剤薬局で足場を持つことになり、今後道内では、調剤併設型ドラッグストアの出店競争が激しくなりそうだ。