アークス(本社・札幌市中央区)グループのラルズ(同・同)が、苫小牧市沼ノ端地区の出店に意欲を見せている。市内で人口増加が続くこの地区では、商業施設の建設が相次いで進んでいる。ラルズは10数年来所有してきた遊休土地を活用、出店に向けた準備を進めるもようだ。(写真は、苫小牧市ウトナイ北5丁目に掲げられている「ビッグハウス予定地」の看板」=2014年12月撮影)
ラルズは、10数年前にウトナイ北5丁目に約6000坪の土地を取得している。国道234号沿いにあるこの土地には、『ビッグハウス予定地』の看板が当時から立てられたままで、これまでに具体的な動きは無かった。その間、2015年7月には、近隣の北栄町3丁目に「マックスバリュ沼ノ端店」と「DCM沼ノ端店」がオープンして、商業環境が大きく変わった。
さらに今年に入ってから、北栄町1丁目に「コープさっぽろ」、ウトナイ北10丁目にはプロ向け資材・工具等の専門店「ジヨイフルエーケーBUILD-ON」が出店を表明、2024年秋に、それぞれ新店舗をオープンさせることになっている。ラピダス(本社・東京都千代田区)が千歳市美々で建設を進めている次世代半導体工場や、ソフトバンク(同・同都港区)とIDCフロンティア(同・同都千代田区)が苫東工業団地柏原地区で2026年度開設を目指している大規模データセンターなど、沼ノ端地区の人口増を後押ししそうな動きも出ている。
こうした環境変化を受けて、ラルズは遊休土地の活用に前向きに取り組むことにした。同社は、苫小牧市内に3店舗を展開しているが、東部に当たる沼ノ端地区には店舗がない。ただ、ラルズが加盟している共同仕入れ会社、北海道CGC(同・札幌市豊平区)のメンバーである豊月(同・苫小牧市)の店舗が近いため、両社間での調整が進む可能性がある。ともあれ、ラルズでは優先度の高い新店案件に位置付けており、具体化が進んでいくものとみられる。