北海道経営未来塾が経営実務講座、SMBC日興証券・阿部一幸ディレクター、北大・平本健太教授が講演

経済総合

 北海道の若手経営者を育てる官民連携「北海道経営未来塾」の経営実務講座(主催・北洋銀行)が2024年2月16日、札幌市中央区の北洋大通センター4階セミナーホールで開催された。塾生や関係者約50人が聴講した。(写真は、講演するSMBC日興証券TMTグループの阿部一幸ディレクター)

 経営実務講座の第1部では、SMBC日興証券(本店・東京都千代田区)TMT(テクノロジー・メディア&テレコム)グループの阿部一幸ディレクターが、『デジタルエコノミーを支える半導体の進化』をテーマに講演。阿部氏は半導体業界の歴史や進化について解説した後、半導体業界の各種テーマについて言及、電力の制御や変換を行うパワー半導体について、「自動車やエネルギー分野で爆発的に伸びるだろう」と示した。

 ラピダスの千歳進出については、「雇用や消費動向への波及効果が期待でき、外国人の流入による人口増加、経済圏の拡大が進むだろう。半導体は振動に弱いので、道路の舗装を見直す契機になるかもしれない。TSMCが進出している熊本では、高速道路建設や鉄道建設も進んでおり、大学や高専が半導体の講座をカリキュラムに組み入れている」とし、熊本県の昨年の経済成長率は5・3%だったことを紹介した。

(写真は、講演する北海道大学大学院経済学研究院の平本健太教授)

 第2部では、北海道大学大学院経済学研究院の平本健太教授が『「バカな」と「なるほど」のビジネスシステム』をテーマに講演。元衆議でタレント、実業家の杉村太蔵氏が旭川買物公園で始めた「旭川Harete」のビジネスモデルを事例紹介。「補助金に頼らない地域活性化のモデルケース。25の飲食店が参入しやすく、退去しやすい仕組みになっており、最大のリスクである空き店舗を出さない仕組みになっている」と話した。また、千葉県館山市伊戸のサメのダイビングサービスについても紹介、「漁業者にとって負の資産だったサメを観光資産に変え、世界中からダイバーを集めている。誰も損をしないビジネスになっている」と述べた。

 平本教授は、「バカなビジネスは一見、魅力的に見えないが、2つの事例は、『バカな』の中に巧みにビルドインされた『なるほど』がある。『バカな』を『なるほど』に化けさせるロジックを生み出すことが企業家の役割だ」と強調していた。

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