築74年の建物を利用した「エーコープやまべ店」、現役営業残り3ヵ月

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 築74年の建物を利用した農協系スーパーマーケット「エーコープやまべ店」(富良野市字山部東町8-3)が、残り3ヵ月で閉店になる。地域の高齢者が徒歩で立ち寄れるスーパーだったが、建物を所有するJAふらの(本所・富良野市)が老朽化で存続は難しいと判断した。(写真は、築74年の建物で営業している「エーコープやまべ店」)

「エーコープやまべ店」は、元々は山部町農協が「Aコープ山部店」として所有・運営していたが、2001年に富良野農協と合併、JAふらのが引き継ぎ、運営はホクレン商事(本社・札幌市北区)が担うようになった。

 店舗面積は約100坪、道内でよく見かける農協系スーパーと同様の店舗。生鮮食品や冷凍食品、グローサリー、日配品などを揃え、地域の食生活を支えるインフラ機能を果たしてきた。この店舗が入っている建物は、築74年が経過するというから、戦後間もない1949年に建設されたことになる。スーパーとしてオープンしたのはそれよりも遅れるものの、半世紀を優に超え、文字通り山部地区の隠れた商業遺産とも言える存在。

 長く地域住民の食生活を支えてきたが、建物を所有するJAふらのは2024年3月末に閉鎖を決めた。理由は、建物の躯体や店舗の機械、設備の老朽化によるもので、これ以上の更新投資は難しいと判断した。運営しているホクレン商事もJAふらのの判断に従うことにした。JAふらのは、閉店後にこの建物を解体、新たな利用を進めるという。

 道内では、築50年以上の建物を利用した農協系スーパーが多いが、「エーコープやまべ店」はさらに20年以上も古い。2023年12月末、雪が降りしきる日にも店内には買い物客が5組ほどがいた。地域の食生活を支えてきた古参スーパーの現役営業は、残り3ヵ月を切っている。

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