コープさっぽろ(本部・札幌市西区)や北海道電力(本社・同)など民間11社と、北海道、札幌市など自治体6団体が共同出資している北海道はまなす食品(本社・北広島市)は、江別市西野幌497-25に新工場を建設、2023年7月24日から稼働を始めた。北広島市にある旧工場を移転新設したもので、7月27日には開設セレモニーと新工場で生産した、納豆を積んだトラックの出発式が行われた。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(写真は、北海道はまなす食品江別新工場の開設セレモニー。中央が渡邊浩司社長)
北海道はまなす食品は、1993年12月に設立され、1995年から北海道産大豆を使った納豆生産を旧北広島工場で開始した。当初は、コープさっぽろ向けが中心だったが、最近は外販が増え、首都圏のスーパーに毎日出荷しているほか、アメリカや中国、シンガポールなど世界15ヵ国に冷凍納豆を出荷するなど販路が大きく広がっている。
国内では、コープさっぽろ向け以外にもサッポロドラッグストアー向けや近く始まるファミリーマート向けなど新規需要も増えており、国内外での需要拡大を背景に新工場を建設した。新工場は、豆腐やこんにゃくを生産している「コープさっぽろ江別食品工場」の隣接地にあり、投資額は約32億円。
(写真は、新工場の納豆生産ライン)
新工場は平屋建て一部3階建て、延べ床面積は約1928坪(6362・64㎡)。旧工場で利用している機械を一部移設したほか、包装や段ボールに詰め込む工程などに自動装置を導入した。生産能力は1日約4万パックから倍増、約8万5000パックまで生産できるようになった。輸出用の40フィートコンテナには、段ボール1850ケースを積み込むことができるが、従来は手作業のため1850ケースを用意するのに1週間が必要だったというが、1日半に短縮される。
(写真は、新工場で生産した納豆の出発式)
新工場の玄関前で行われたセレモニーで、北海道はまなす食品の渡邊浩司社長は、「納豆の持つ健康パワーを北海道から世界の国々に届けるを合言葉に、当社の新しい時代の幕開けにしたい」と挨拶、テープカットとくす玉割りが行われた。その後、工場裏手の出荷ヤード前で出発式が行われた。吉﨑淳工場長は、「新工場からコープさっぽろ全店に向けた初出荷となる。安全、安心な製品を提供できるよう、障がい者を含めて従業員一同頑張りたい」と述べた。
新工場の従業員は、52人(うち25人が障がい者)で8時間操業。自社ブランドや相手先ブランドの納豆を生産しているほか、珍味や豆菓子、ドライフルーツ、切り干し大根などの小分け・袋詰め作業も行っている。また、旧工場と同様に障がい者の能力開発センターも設置、年間10人を1年間受け入れて職業訓練も行う。新工場の本格稼働に伴い、旧工場の敷地や建屋は売却する予定。