サツドラホールディンクス(HD、本社・札幌市東区)とヤマト運輸(同・東京都中央区)は2023年7月25日、パートナーシップ協定を締結した。サツドラHDの店舗や商品・ポイント、ヤマト運輸の物流ネットワークを利用して、BtoC(消費者向け取引)、BtoB(企業間取引)の両分野で連携を強化する。(写真は、サツドラHDとヤマト運輸のパートナーシップ協定締結式。右からサツドラHD・富山浩樹社長CEO、ヤマト運輸・長尾裕社長)
BtoCの分野で、両社は既にサツドラ店舗で荷物を受け取ることができる「店頭受け取りサービス」、買い上げ商品を自宅に届ける「手ぶらでお買い物便」、店舗内に宅配便ロッカー「PUDOステーション」の設置するなどしているほか、買い物困難地域での移動販売車の運行、サツドラが店舗を出してもペイしない地域で、ヤマト運輸の営業所を利用した食品、日用品販売などを行っている。
また、BtoBの分野でもサツドラの大型店でインストア加工した精肉を各店舗に配送する際に、クール宅急便を利用するなどしている。こうした実績を生かして、さらにBtoB、BtoCの分野で協力関係を深化させるために、パートナーシップ協定を締結した。
BtoCの分野では、ヤマト運輸の道内営業所151ヵ所のうち、現在は奥尻、幌延、常呂、雄武の営業所内にサツドラ商品を揃えたサテライト店舗を展開しているが、さらにヤマト運輸の5営業所でサテライト店舗を設置する。移動販売車は現在、奥尻島で宅配集配車両を使って運行しているが、「事業採算性は合ってきている」(ヤマト運輸・長尾裕社長)ため、近く専用の移動販売車(2t)を導入、他地域での展開も模索する。
BtoBでは、クール宅急便を利用したサツドラ店舗への精肉配送を17店舗から今年度中に50店舗に増やす。また、仕入れや物流で提携しているコープさっぽろ(本部・札幌市西区)の配送網、配送頻度ではシナジー効果が出ない領域で、ヤマト運輸と効率的な物流を構築する。
この日、サツドラ本社のEZOHUB SAPPORO「HIGUMA HALL」で行われた協定書の調印式で、サツドラHDの富山浩樹社長CEOは、「両社の強みを生かしたサービスを、課題先進地域の北海道で持続的に実現できるようにして、全国のモデルをつくっていきたい」と話した。ヤマト運輸の長尾社長は、「私たちの使命は、物流ネットワークを維持して全国どこでもお客さまの利便性を確保すること。不採算地域で持続可能な新たなビジネスをサツドラHDと構築していきたい」と語った。