旭川の価格競争は新たな局面に、ダイゼンが市内11店舗目の「旭川4条西店」

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 ダイゼン(本社・上川郡鷹栖町)の低価格小型スーパー「DZマート」の出店攻勢が続いている。旭川市内で11店舗目となる「(仮称)旭川4条西店」が、2023年10月下旬オープンを目指して建設中だ。(写真は、旭川市の4条通西3丁目に建設中の仮称「DZマート旭川4条西店」)

「(仮称)旭川4条西店」は、国道12号に面した4条通西3丁目の旧山崎産業跡地を賃借して建設中。敷地面積は2234・08㎡、延べ床面積は987㎡、売り場面積は852・2㎡、駐車場の収容台数は34台、施工はタカハタ建設(本社・旭川市)。「DZマート」の延べ床面積は1000㎡ほどが主流で、今回は少し小さめの店舗だが、商品アイテム数は約6000点で他店と変わらない。

 かつて、4条通西1丁目には、旧旭友ストアー店舗を承継した「コープさっぽろ4条通店」が営業していたが、2019年9月に閉店。代わって跡地には、「ツルハドラッグ旭川4条西店」と、「あきんどスシロー旭川4条通店」が営業している。「コープさっぽろ4条通店」が閉店した時、周辺の住民から、「旭西橋を渡りウエスタン川端店に行くか、2条通4丁目のダイイチ西店まで行かなくてはならなくなった」と不便を嘆く声が上がっていた。

 ダイゼンは現在、旭川市を中心に上川・宗谷・網走・留萌・空知の各管内に24店舗を展開している。7月14日には「滝川朝日町店」(滝川市)をオープンさせ、10月までにさらに滝川市に出店するほか、北見市、深川市にも出店する予定で、「旭川4条西店」は旭川市内11店舗目で道内29番目の店舗となる。

 ダイゼンの柴田貢社長は2022年春、「今後、年間10店舗のオープンを目指し、高速出店に着手する」と公言していた。「決算の9月期までに8店舗と、目標の十店舗には届かないが、売上高は86億円を超えることは確実だ」と柴田社長は語る。

「DZマート」の特徴は、商品を出来る限り安く消費者に提供するため、コストを極限まで効率化している点。店舗は全店ともに、レジ係と商品管理係の2人体制で運営。搬入は夜間に行う。出勤から開店までの時間帯に、商品を陳列する。商品は自動発注システムだが、欠品ゼロを目指し、防犯カメラを使った確認作業も行っている。このシステムを勉強しようと、全国から同業者が視察に訪れるという。柴田社長は、「今後も、年間10店舗舗出店の目標は変えずに突き進みたい。新店舗の建設はコストがかかるため、居抜きでの出店も考えていく」と2024年9月期の出店計画を見据える。

 相次ぐ物価高で、消費者の低価格志向は根強い。旭川市内では今春、低価格が売りの「業務スーパー」が、「イオンモール旭川西」に向かう途中の緑町18丁目にあった、旧「ツルハドラッグ緑町店」に居抜き出店、市内2店舗体制にした。ディスカウントストアのトライアル(本社・福岡市東区)も「旭川店」、「神楽店」、「永山店」の3店舗ともに居抜き物件を利用、初期コストを抑えた展開をしている。また、イオン北海道(同・札幌市白石区)も「ザ・ビッグ」4店舗体制で、広域からの集客を増やそうとしている。

 柴田社長は、「当社のローコスト経営は、まだ道半ば。電気代も昨年より50%もアップするなど、経費は増大している。より効率的な経営を目指し、収益力を上げていきたい」と強調する。近い将来には、プライベート商品の販売を構想しており、近くその調査に着手する。ただでさえ、旭川の価格競争は激しい。「DZマート」の高速出店や「業務スーパー」のさらなる多店舗化、「トライアル」が目指す地域最安値、「ザ・ビッグ」の集客力によって、価格競争は新たな局面を迎えそうだ。

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