コープさっぽろ&ふきのとう文庫、弱視児向け布の本、拡大写本制作など図書館活動で連携協定

社会・文化

 コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は4月13日、障害をもつ子ともたない子のふれあいの場となる、図書活動を行っている公益財団法人ふきのとう文庫(代表理事・髙倉嗣昌北海学園大学名誉教授)と連携協定を締結した。ふきのとう文庫が制作している弱視児のための布の絵本や文字を大きくした拡大写本などを、コープさっぽろの子育て支援拠点「トドックステーション」に配置したり、これらの本の制作、文庫の運営についても協力したりする。(写真は、連携協定を行ったコープさっぽろの大見英明理事長=右と、ふきのとう文庫の髙倉嗣昌代表理事)

 ふきのとう文庫は、1970年に活動をスタート、1979年に財団化、2011年に公益財団化した。1982年に西区平和に独自の図書館を開設したが、老朽化と利便性の問題から、2014年に中央区北6条西12丁目の現在地に移転新築した。図書館部門、布の本部門、拡大写本部門の3つの柱で活動しており、図書館には約1万6000冊の蔵書があり、そのうち布の本は約700冊、拡大写本は約400冊ある。図書館建物の2階には、布の本や拡大写本の制作室があり、約50人のボランティアが従事。これらの本を寄贈、または販売、その収益金が財団活動の一部に利用されている。

(写真は、布の本を紹介する髙倉代表理事)

 同文庫は、これまで独自に運営してきたが、布の本や拡大写本の制作を担うボランティアが高齢化、成り手不足も深刻化してきたことから、子育て支援に力を入れているコープさっぽろと連携協定を締結することで、持続的な活動を行える体制を目指すことにした。
 具体的には、同文庫の蔵書をトドックステーションに貸し出しして、コープさっぽろのボランティアが子どもたち向けに読み聞かせ活動を行ったり、布の本や拡大写本の制作にも協力したりする。また、財団運営面で協力するため、コープさっぽろ専務理事補佐の横澤秀明氏が、同文庫の業務執行理事に就任予定。

 現在、ふきのとう文庫が建っている敷地は、髙倉代表理事の実父で元北海道大学教授、髙倉新一郎氏の私邸の一部。髙倉新一郎氏は75年ほど前に北大生活協同組合の設立に尽力し、コープさっぽろの初代組合長も務めた。今回の、ふきのとう文庫とコープさっぽろとの連携協定の背景には、こうした歴史的な縁もあった。なお、築100年を超える旧髙倉亭は、社会学者だった元教授の業績を辿ることができるカフェとして利用されている。
(写真は、北6西12の桑園地区にあるふきのとう文庫)

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