ウィズコロナ社会の感染対策、 ESIの次亜塩素酸水パウダー「クリアランスα」

経済総合

 コロナ禍から3年余りが経過し、脱マスクの動きとともに5月には新型コロナ感染症の5類移行など、ウィズコロナ、アフターコロナへの動きが加速している。しかし、コロナから身を守ることは続けなければならない。罹らないための防疫環境の充実が、ウィズコロナ社会には不可欠。そうした中、次亜塩素酸水溶液を活用した空間除菌を手掛けるESI(本社・札幌市南区)は、高純度の次亜塩素酸水溶液を簡単に生成できるパウダー「クリアランスα」の市場開拓を進めている。(写真は、製法特許を取得したESIの「クリアランスα」)

 次亜塩素酸水溶液はコロナ前から高齢者介護施設や病院、家畜の厩舎、野菜の洗浄など感染対策をはじめ防疫の用途で広く使われ、コロナ対策の空間除菌用としても知られるようになっている。広く出回っている同水溶液は、液体での販売が主体のため、長く保管すると水溶液は劣化するうえ、液体なので備蓄にも不便だった。

 そういった課題を克服したのが「クリアランスα」。少量のパウダーから大量の次亜塩素酸水溶液を作ることができ、生成のための専用機材も必要なく、コストパフォーマンスに優れている。コロナ対策はもとより、次亜塩素酸水溶液が必要とされるさまざまな場面で、「クリアランスα」は高効率で使い勝手が良いため、その代替品として注目されている。常温保存で品質保証期間は6年。

 現在の次亜塩素酸水溶液の市場規模は、約200億円とされているが、市場は大きく伸びていくとみられている。そうした中で「クリアランスα」の優位性が高い。今年1月10日には製法特許を取得、「いつでも、どこでも、誰でも、簡単に作ることができる」メリットを前面に打ち出し需要は増えている。 

 次亜塩素酸水溶液の空間除菌については、大手メディアなどが根拠を示さぬまま健康不安を煽り、次亜塩素酸水溶液に携わる業界全体が風評被害に長く苦しめられた時期があった。その背景には、消毒用アルコールなど多くの消毒剤が品不足となったコロナ禍初期に、コストパフォーマンスの良さなどから注目されるようになった、次亜塩素酸水溶液の需要増を良しとしない動きがあったようだ。

 だが、ESIが発起人となって設立した一般社団法人次亜塩素酸水溶液普及促進会議(JFK)や、同団体がサポートして結成された日本除菌連合などの活動に、超党派の国会議員連盟「コロナ対策を資材と方法から考える会」が呼応、風評払拭や事実誤認を改める活動を展開。

 2021年10月には、厚生労働省が次亜塩素酸水溶液に対する正しい認識と、空間噴霧に対する誤った見解を変更する通達を全国都道府県の衛生主管局宛てに発令した。また、2022年9月には厚労省新型コロナウイルス感染症対策推進本部が、各衛生主管局に、空間噴霧に対する指導や指示に現場で誤解が起きないよう再発信をしている。これらの動きを受け、JFKは粗悪品の一掃を目的とした、厳しい審査基準に基づく品質認証制度をスタートさせている。

 ESIの菊地匡彦社長は、「社会貢献の一環として『クリアランスα』などを札幌市に寄贈し、秋元克広市長から感謝状をいただいた。緊急災害時の避難所などでの衛生管理、感染予防に対応するためにも、自治体の担当者は国も認めている次亜塩素酸水溶液の活用を積極的に考えていただきたい」と話している。
 

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