キャスターの佐藤のりゆき氏が音頭を取って昨年10月に発足した北海道独立研究会が主催するシンポジウムが21日、札幌プリンスホテル国際館パミールで開催された。佐藤氏がコーディネーターになり同研究会のメンバー7人がパネリストとして参加、北海道の観光と交通をテーマに本音のトークが繰り広げられた。会場には500人が集まった。(写真は、500人が集まったシンポジウム会場)
冒頭、佐藤氏が同研究会を立ち上げた理由として「日本から独立するのではなくて、独立するくらいの気概や大志を持とうというのが目的。要は自立を目指す問題提起とともにその道筋を示そうと立ち上げた」と説明。
話の途中では、道庁に対する批判のトーンが高まり「道庁には政策立案能力や実行力がない。本当にやりたいことをやっていないのが北海道低迷の原因だ」と強い調子で訴え、「もう我慢ならないという気持ちが高まって研究会を同志たちと立ち上げた」と語った。
シンポジウムでは、研究会メンバーの大西雅之鶴雅グループ代表取締役が、道庁の観光予算が6億円で沖縄の15分の1にしかなっていない現状を示し、「道庁は経済部から観光部門を独立させて観光部を創設し、オール北海道で人・モノ・カネを集中できる推進体制を築くべきだ」と唱えた。また、観光振興のための観光税の導入にも言及した。
吉見宏北大教授は、観光地を結ぶ途中のルートを魅力的にして「道すがらお金を使ってもらう方法を考えていくべき」と訴えたほか、片岡廣幸総合商研代表取締役は、「例えば3年間有効の北海道サービスパスポートのようなものを作って観光関連で割引が受けられるようにしたらどうか」と提案していた。
さらに平岡祥孝札幌大谷大教授は新千歳空港について国際ハブ空港よりも4時間圏内の北東アジアの航空路線を呼び込む地方拠点空港としての国際化を目指すことが現実的だとし、「ビジネス客の少ない新千歳では国際ハブ化は非現実的」と主張した。
シンポジウムの内容については後日詳細する予定。