土屋ホールディングスや土屋ホームなど土屋グループ5社が21日、札幌パークホテルで平成25年度進発式を開催した。土屋グループの新年度経営方針や事業戦略を発表するものだが、経営環境が悪化していたため一時中断、今回6年ぶりに実施した。会場となったパークホールには、協力会社や取引関係先などから約1500人が参加、土屋グループ各社トップによる事業方針説明や東海大学副学長山下泰裕氏、北洋銀行頭取石井純二氏による特別講演も行われた。(写真は、6年ぶりの開催で熱気に溢れた進発式会場)
進発式は、土屋グループの創業者、土屋公三氏が昭和52年から協力業者などを集めて毎年新年に開催していたものだが、この5年間は経営環境が悪化し開催を見合わせていた。しかし、持ち株会社土屋ホールディングス(HD)を4年前に設立、各事業会社を完全子会社にして体制を整備したことに加え、昨年11月には土屋ホームと土屋ツーバイホームを統合して新生土屋ホームがスタート、将来に向けた経営体制が構築されたため6年ぶりの開催となった。
挨拶に立った土屋氏(土屋HD会長)は、「住宅業界は厳しい時代で道内の同業者の多くが事業継続できなかった。当社も減損会計などによって総資産が半分になるほどだったが、何とか新しい時代の体制を整備、将来の経営見通しが付いた。皆さんにご迷惑をかけないで新しい時代に進んで行ける」と語った。
続いて各事業会社社長が今年度事業方針を説明。土屋ホーム佐藤孝司社長は、「道内では絶対的ナンバーワンを目指す体制として4地区制を導入、本州でもブロック長3名に若手を起用した。道内と本州の売上げを同等にし、中長期的には全国制覇を目標に掲げている。まだまだ全国大手から見ると当社は小さな会社。しかし、私を含め社員一同、使命感と住宅商品では負けていない。他社の牙城に乗り込んでいく気概、強い信念によって前に進んで行こう」と呼びかけた。
また、増改築を担う土屋ホームトピアの菊地英也社長は、「世の中は大きく変化しており、同一の商品、同一の戦略では行き届かない。多様性の時代なのでリフォームもモノではなく暮らし方を売る時代だ。リフォームで豊かで楽しい暮らしができるという暮らし方提案企業を目指す」と訴え、3年後に年間100億円の売上げを目指す考えを明らかにした。
土屋ホーム東北の中村清一社長は、「当社はこれまで東北5県に進出していたが、福島支店準備開設室を設け下期には支店に格上げして東北6県をカバーできる体制にする。東北1県で年間100棟以上を目標に、より良い住宅を提供することで土屋ホーム東北の存在価値を認めていただけるようにする」と決意を披露した。
各事業会社の持ち株会社である土屋HDの土屋昌三社長は、昨年度の売上高が257億3400万円、対前年度比12・8%増、営業利益は6億7900万円で同547・8%増、経常利益7億3400万円で同380・6%増の増収増益になったことを示し、「好調の要因は東北エリアの復興需要による売り上げの増加と長期優良住宅先導事業の採択による大型リフォーム事業の増加で増改築事業が拡大したこと」と述べ、今年度の売上高予想は266億4100万円、営業利益5億9900万円とした。
土屋社長は、「今年度の土屋グループの大方針は成長戦略の推進。重点施策のひとつにグループ全社員による太陽光発電システムの販売を掲げている。札幌市のメガソーラー運営事業者に選定され、今年3月より発電事業を開始するが、再生可能エネルギーを基に本来の強みである戸建住宅の商品にソーラーパネルを搭載する営業戦略を各社と連携し進める。エンドユーザーに向けて北海道からソーラー普及を進めて行く」と宣言した。
その後、協力業者の表彰式に続いて東海大学副学長山下氏が『夢への挑戦』と題して柔道に取り組んだ経緯や柔道を通じて世界各国と民間交流をしている活動を紹介したほか、北洋銀行の石井頭取が『不確実性の中での北海道の可能性』をテーマに北海道経済の見通しを語り、来年4月から2段階で実施される消費増税の影響に言及した。