洋菓子製造販売のきのとや系企業でつくる持ち株会社北海道コンフェクトグループ(本社・札幌市中央区)に入った、和菓子製造販売の千秋庵製菓(同・同)。9月30日付で、その千秋庵製菓の新社長に就任した中西克彦氏(前副社長、36)の初仕事となる「ノースマン」専門店が10月5日、大丸札幌店地下1階にオープンした。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(写真は、「ノースマン大丸札幌店」を紹介する千秋庵製菓・中西克彦社長)
「ノースマン大丸札幌店」は、創業101年目を迎える千秋庵製菓が、次の100年に向けて新たなスタートを切るために出店した戦略的な店舗。誕生から半世紀の「ノースマン」をリブランディングして、パイ生地、あんこにミルキーでコクのある生クリームをたっぷり注入した新商品「生ノースマン」を戦列に加えた。また、個包装デザインやパッケージデザインも刷新、北国で暮らす逞しい力を表現した従来のデザインを踏襲しつつ、北国の文化を感じられる織物、編み物をモチーフにした。清新さを訴えつつ、どこか懐かしさを感じられるデザインになっている。
中西社長は、この日行われた「ノースマン大丸札幌店」のお披露目会で、自ら出店の狙いや「生ノースマン」の特徴などについてPR、「伝統あるノースマンを若いお客さまにも味わっていただきたい」と話していた。本サイトは、中西社長に個別にミニインタビュー、専門店出店の狙いと新社長の抱負などを聞いた。
ーー菓子業界の経験は。
中西 菓子のスタートアップ企業BAKEに2015年に入って、今回北海道コンフェクトグループ代表取締役に就いた長沼真太郎氏(元BAKE代表取締役)と一緒に組織体制づくりをしていきながら、後半には店舗に立ってマネジメントをしたり、新商品のブランド開発に携わりました。新しいブランドのプロジェクトマネジメントには経験があります。
ーー2021年に千秋庵製菓の副社長に就任されましたが、今回、専門店の出店にあたり「ノースマン」を選んだ理由は。
中西 千秋庵製菓の主力商品なので、101年目に入る節目の年にメイン商品の「ノースマン」を刷新し、千秋庵も新しくなっていくというと意気込みを伝えることが効果的と考えました。
ーー「山親爺」よりも「ノースマン」だと。
中西 歴史があるのは「山親爺」なのですが、これからの商品展開を考えると、「ノースマン」の方が展開がいろいろできるので。
ーー将来的には「ノースマン」専門店を展開していく考えですか。
中西 「ノースマン」をブランド専門店として単独展開するような展開も可能かなと思っています。今回がそのテストマーケティングにもなります。
ーー北海道コンフェクトグループ入りをしましたが、新社長としての意気込みは。
中西 創業家が守ってきた伝統を大切にしながらも、今の時代に合わせた展開が必要になってくると思います。変化には摩擦がつきものかと思いますが、そこは恐れずに自分でできることを少しずつ従業員とともに行っていき、「千秋庵が良くなったね」とか、「千秋庵のお菓子を買いたいね」と思っていただけるように努力していきたい。
ーー中西社長の「ノースマン」の思い出は。
中西 私は小樽生まれ、札幌育ちで、祖父の家に行くと必ず「ノースマン」が置いてありました。子どもの頃から馴染みのあるお菓子です。
中西克彦氏略歴…1986年生まれ、36歳。2010年北海道大学経済学部卒、住友商事入社、2015年BAKE入社、2017年ノベルズ入社、飲食事業立ち上げに従事、2021年千秋庵製菓入社、副社長を経て2022年9月30日社長就任。
(写真は、「ノースマン大丸札幌店」)