恵庭開発(本社・札幌市、柴田陽子社長)が今年8月に取得した函館国際ホテルのリニューアル工事が順調に進んでいる。年内にロビー廻りを終え、来年3月中旬をメドにレストランと客室の改装を終える。一連のリニューアルのデザインを担当しているのはアトリエテンマの長谷川演社長。投資額は約5億円。(写真は、恵庭開発の柴田陽子社長)
恵庭開発は今年8月、マルハニチロホールディングス(本社・東京都江東区)から函館国際ホテル(函館市大手町)の全株式を取得し子会社化した。函館国際ホテルは函館を代表するシティホテルで、2012年3月期の売上高は14億2500万円。宿泊で7億円弱、宴会で約8億円を売り上げており、従業員は約120人。
恵庭開発への売却額は非公表だが、マルハニチロホールディングスは、今後のホテル経営を継続的に行う意向を示した恵庭開発に売却することにした模様。函館国際ホテルは赤字続きで2010年3月期は1億5100万円の純損失、11年3月期は1億1300万円の純損失、12年3月期は1300万円の純損失を計上。マルハニチロホールディングスは、函館国際ホテルの売却損約20億円の今期決算に計上する。
恵庭開発100%子会社になった函館国際ホテルは、今秋からリニューアルに着手、第一期としてロビー廻りやレストラン、客室を予定し5億円を投じることにしている。
このうちロビー廻りについては年内に終了し年明けから3月中旬までにレストラン、本館の客室200室をすべてリニューアルする。
リニューアルのデザインを担当するのはアトリエテンマの長谷川社長。長谷川氏は定山渓第一ホテル翆山亭のデザインを行うなど実績がある。長谷川氏は弘前市出身で一時期函館に住んでいたこともあって、函館への思い入れは強いという。函館国際ホテルがどう生まれ変わるか注目される。
同ホテルは、3月中にも一連のリニューアル工事を終えて、観光シーズンが始まる5月ころから積極的な営業展開で観光客や宴会需要を取り込んでいく。