ダイイチ、「期ズレ会計処理」で中本専務、野口常務らが引責辞任

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 食品スーパーダイイチ(本社・帯広市)は7月26日、不適切会計処理の責任を取って、中本泰廣専務取締役営業本部長(66)と野口一常務取締役販売本部長(57)、川瀬豊秋非常勤取締役(66)の3人が、8月31日付で辞任すると発表した。(写真は、ダイイチ本社)

 不適切会計処理は、2022年3月から開始された札幌国税局の税務調査で明らかになった。2017年9月期以降、継続して納品されていない商品の仕入れ計上と棚卸の除外で、利益を調整する売上原価の先行計上が行われたと指摘した。
 ダイイチはこの指摘を受けて4月25日、公認会計士や弁護士の3人からなる第三者委員会(委員長・宇澤亜弓公認会計士宇澤事務所代表)を設置。同委員会は、不適切会計処理の事実関係や原因解明と再発防止策の提言などについて調査を始め、6月24日に調査報告書をまとめた。その中で、中本専務と野口常務について、《極めて大きな問題があったと指摘せざるを得ない》、《主導的な役割を果たしたことから、責任は重大というほかない》などと指摘。川瀬氏については、《経費の先行計上に認識していなかったとしても、長年に亘り経理を担当した取締役として、認識していなかったことそれ自体に一定の責任がある》としていた。

 中本氏は、ホクホーを経て1999年4月にダイイチに入社、2020年12月から現職。野口氏は1983年3月入社、2020年12月から現職。川瀬氏は1991年7月入社、2016年12月常務取締役管理本部長、2019年12月常務取締役経理部長兼企画IR部兼システム室担当、2020年12月非常勤取締役。
 
 また、若園清社長(69)は月額報酬額の100%返上、堀内健三常勤監査役(80)は月額報酬額の30%返上を5ヵ月間とし、社外取締役の宮川明氏(67、イトーヨーカ堂監査役)と社外監査役の東城敬貴氏(59、朝日税理士法人帯広事務所代表社員)、笹井宏一氏(43、三洋興熱社長)は月額報酬額の10%返上を3ヵ月間とした。現職の営業本部長と販売本部長が辞任することで、この2ポストに誰が就任するかにも関心が集まっている。

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