札幌証券取引所は、7月1日にフルテック(本社・札幌市中央区)の本則市場上場を承認した。同社は現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、札幌、北海道での知名度向上や人材確保、市場拡大のため重複上場することにした。7月22日に上場通知書交付式を行い正式に上場する。(写真は、札証で会見するフルテックの古野重幸社長=右と古野元昭副社長)
フルテックは、自動ドアの製造、販売、メンテナンスを主力事業にしており、2021年12月期の連結売上高は115億600万円。そのうち道内比率は約20%。事業比率は自動ドア68%、ステンレス建具27・5%、駐輪システム4・5%。
1963年11月に北海道寺岡オートドアとして創業、1970年10月に東北寺岡オートドアの経営を引き継ぎ仙台に進出、社名を東日本寺岡オートドアに変更。2001年には、東京の協立寺岡オートドアと合併、首都圏に本格進出、社名を寺岡ファシリティーズに変更した。2015年7月にメーカー代理店からの独立を図るため、現在のフルテックに社名変更している。2017年3月に東証2部に上場、2018年3月に東証一部に指定替え、2022年4月から東証スタンダード市場に上場している。創業以来、北海道から南下して販売網を広げてきたが、2021年1月には福岡支店を開設、九州市場の開拓を始めており、今後は福岡から北上してシェアを広げる考え。
古野重幸社長は、「当社の強みは設計、製造、販売、施工、メンテナンスまで外注に頼らず正社員による社内一貫体制を採用している点。札証上場を機に知名度向上を図り、人材確保を進めたい」と述べた。北海道の市場性について、「2030年まで再開発案件が多数あり、札幌の成長性は全国的に見ても高い。また、北海道の自動ドア市場でシェアナンバーワンの優位性を生かして更新案件の受注にも力を入れたい」と話した。同社の2021年12月末現在の株主数は約4800人で、道内株主比率は6・4%。