「北方ジャーナル」2022年7月号が昨日15日から店頭に並んだ。今月のトップは北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題の続報「パワハラ死 調査へ」だ。これまで公式に被害認定されていなかった在学生の自殺事案では、さる5月に遺族が告発の決意を固めたことで、道がようやく腰を上げた。この6月に入ってからは8年前に起きた別の被害が掘り起こされる動きもあり、問題の根深さが改めて浮き彫りになっている。道立高等看護学院で、すべての膿が出尽くす日は、いつ訪れるのか――。(画像は、北方ジャーナル7月号の表紙)
北海道のエンタメ企業・スガイディノス経営破綻の緊急レポートも必読だ。5月30日、同社は負債約23億円を抱えて札幌地裁に民事再生法の適用を申請。今後はスポンサーの支援、協力を受け経営再建を目指すことになった。再スタート直後にコロナ禍に襲われた不運、そしてメインバンク、りそな銀行はなぜ支援を打ち切ったのか。紆余曲折を経ながら100年を超えて北海道のエンターテイメント文化を発信し続けてきた「スガイ」は、その灯を守り続けることができるだろうか。
国と医療機関を相手にした10年間に及んだ闘いが、ようやくひとつの節目を迎えた。就職まもない新人看護師の命を奪った、医療現場の過重労働。その被害を労働当局が認めるまでには6年の時間を要し、さらに現場の医療機関が自らの責任を受け入れるまでに3年あまりが費やされた。司法が和解を進める中、当事者がこだわったのは「再発防止」の誓い。声を上げ続けた遺族は、すべての医療関係者に呼びかける。「苦しく、辛いことがあっても、どうか生き続けて」――。
そのほか、間近に迫った参院選における道内選挙区候補予定者たちへのインタビュー、今年で創刊50周年を迎えた本誌の関連特集も要チェックを。その50周年記念特集では、90年代に本誌が叩いた野口観光の二代目、野口秀夫会長が「書く側と書かれる側の関係」をテーマにインタビューに応じている。
本誌でしか読めない道内の事件、話題が詰まった北方ジャーナル7月号のお買い求めは、離島にいる方も都会に住んでいる方もお近くのセイコーマートへ。大手書店、アマゾンなどでも購入可能。北方ジャーナルへの問い合わせや注文などは、右側下方にある同誌のバナーをクリック。
※7月号主要コンテンツ
【報道】
■告発・絶望の学府〈15〉──江差看護・学生遺族が申し入れ、パワハラ死 調査へ
■狩人、銃を奪われる〈7〉──「現場を知らな過ぎる」銃所持許可取消訴訟・第2幕
■医療現場で散った命〈15〉──看護師過労死訴訟が終結。遺族の訴え、現場に一石
■コロナ禍が直撃! 北海道のエンタメ企業・スガイディノスが民事再生
■泊原発集団訴訟で勝利した原告らが新たな運転差し止め訴訟を提起
■“核のゴミ”レポート〈32〉──最終処分事業と一体化する「幌延国際共同プロジェクト」その2
■コロナ禍3年目、洞爺湖温泉のコスプレフェスは客足回復の起爆剤になるか
■小樽市犬管理所〈6〉──委託費が大幅アップされても埋まらない保健所との深い溝
【ニュース】
■双日が開いた風力発電の説明会に小樽・余市の住民から懸念が噴出
■鑑賞用の除外が「蟻の一穴」に? 道の拙速な進め方に不安の声も
■公安委員長が参院でも仰天答弁、野次排除訴訟判決「読んでない」
■不当捜査被害で映像開示求める。黙秘権侵害・私物検閲国賠訴訟
■判事「事案の解明度を上げたい」三菱ふそう事件二審、弁論続く
■札幌市内でイベントが続々と再開、コロナ禍からの脱出はすぐそこか
【特別企画】
■創刊50周年記念特集(2)──▼【寄稿】猪瀬直樹・舟本秀男・木村浩一郎・片山和明 ▼【特別談話】全国老人福祉施設協議会元会長 中田清 ▼【特別インタビュー】野口観光グループ代表 野口秀夫氏「貴誌に書かれて分かったこと」
【参院選特集・候補予定者に訊く】
■自民党現職・長谷川 岳氏/立憲民主党現職・徳永エリ氏/自民党新人・船橋利実氏/国民民主党新人・臼木秀剛氏
【医療】
●森山病院を中核にした予防医療拠点「旭川ウェルネスセンター」が全面開業
【金融】
●好機到来? 高まる「貯蓄から投資へ」の流れ。インフレ対策に株や投資信託を
【地域】
●十勝・帯広展望 米沢則寿市長に訊く「“フードバレーとかち”で浸透した広域結集の底力」
【長期連載】
●ルポ「ひきこもり」(82)─「あえてひきこもる」吉川修司さんの生き方
●戦争遺産をめぐる旅(82)─古戦場の関ケ原に眠る火薬庫「陸軍兵器補給廠関ケ原分廠」