旭川平和通買物公園にある「マルカツデパート」(2条通7丁目227-1)は、2025年までの閉店を前倒しして、早ければ年内にも閉店する。その後、建物の解体工事に入り、跡地に商業施設とマンションの複合高層ビルの建設が検討されている。買物公園沿いの大型ビルのスクラップ&ビルド(S&B)が加速する。(写真は、閉店を前倒しする「マルカツデパート」)
旭川の中心地である2条通買物公園の角にある「マルカツデパート」は、1971年に建設された地上7階、地下1階建てのビル。前身は1918年(大正7年)に創業した松村呉服店。1936年に丸勝松村呉服店となり、その後、経営権が繊維商社だった旧東栄(旭川市)に移り、1971年のビル建設とともに「マルカツデパート」になった。旧東栄の民事再生に伴い、2000年以降は所有者が転々とする。2003年に米投資ファンドのローンスタージャパン、2011年に海晃(現HIRホールディングス、札幌市中央区)、2021年から現在の遠藤財管合同会社(札幌市中央区、シックスセンス)の所有になった。
かつては衣料品のテナントが多く、各店が婦人層の顧客をつかみ、地下には「ラルズマート」が入っていたこともある。現在は、100円ショップ「キャンドゥ」や衣料品、喫茶店など39のテナントが入る。5階は市の就職相談窓口「旭川まちなかしごとプラザ」、6階は空きフロア。
「マルカツデパート」は耐震改修が必要だったことから、2009年に「丸井今井旭川店」が撤退する以前から閉店が囁かれてきた経緯があったが、その後も継続。現所有者の遠藤財管合同会社(シックスセンス)は、2025年までに閉店するとしていた。
しかし、水漏れが発生するなど老朽化が激しく、テナントの損害が発生する懸念もあることから、2025年を待たずに閉店を決めた。同社は閉店時期を明らかにしていないが、10月31日に契約終了を伝えられているテナントもあるため、この時期になるもよう。閉店後は解体され、跡地に複合高層ビルの建設が検討されている。
平和通買物公園では、2015年3月に「イオンモール旭川駅前」が新規オープンしたほか、大型ビルのスクラップ&ビルドも進んでいる。2016年に閉店した「西武旭川」A館跡には2021年9月に「ツルハ中央ビル」が竣工、「ホテルアマネク旭川駅前」や「ツルハドラッグ旭川中央店」、「壺屋ときの杜買物公園店」がオープン。2014年に閉店したファッションビル「エクス」跡では大和ハウス工業(本社・大阪市北区)が2024年末竣工を目指して、旭川初の25階建てタワーマンションの建設を進めている。「マルカツデパート」跡の土地活用も注目される。