ダイイチ揺れる、2021年9月期決算で一部不適切会計処理判明、第三者委員会設置

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 ダイイチ(本社・帯広市)は4月25日、2021年9月期決算で一部に不適切な会計処理があったと発表した。事実確認及び原因究明のため、外部有識者による第三者委員会を設置して調査を委嘱することを決めた。(写真は、帯広市内のダイイチ本社)

 同社は、2022年9月期第2四半期決算の発表を5月6日に設定して準備を進めてきたが、社外からの指摘により2021年9月期決算で一部不適切な会計処理が行われていたことが判明したという。判明したのは、期末間際に予算達成が見えてきたことを前提に、仕入れを先行計上して利益を圧縮、2022年9月期の利益を確保するために納期をずらしていたことが確認できたとしている。現時点で確認している金額は約8200万円。さらに先行計上がないかどうかの確認を行うため、第2四半期決算の発表も延期する。

 合わせて、経営層を含めたコンプライアンスについて事実確認、原因究明を目的に25日開催の取締役会で、同社と利害関係のない外部有識者による第三者委員会を設置、調査を委嘱することにした。第三者委員会は、日弁連第三者委員会ガイドラインに準拠した調査になる。

 第三者委員会の委員長は、公認会計士宇澤事務所(東京都渋谷区)の宇澤亜弓氏、委員は末長法律事務所(札幌市中央区)の末長宏章氏と祝田法律事務所(東京都千代田区)の熊谷真喜氏。委員長の宇澤氏は、1967年生まれ、関西学院大学法学部法律学科卒、公認会計士・公認不正検査士。1999年から2004年まで警視庁刑事部捜査第2課で財務捜査官(警部)。特別背任や業務上横領、詐欺、贈収賄などの経済事件に携わった。2004年から2011年までは証券取引等監視委員会事務局特別調査課で、証券取引特別調査官、主任証券取引特別調査官、開示特別調査統括官を務め、金融証券取引法違反に係る犯則調査に携わったのち、2011年3月に公認会計士宇澤事務所を開設している。第三者委員会では、事実関係の調査、財務諸表等への影響額の算定、原因究明と再発防止の提言などを行う。

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