チ・カ・ホ接続部に劇場型空間、札幌第一生命ビルディング跡に「D-LIFEPLACE札幌」着工

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 第一生命保険(本社・東京都千代田区)、竹中工務店(同・大阪市中央区)、札幌駅前通まちづくり会社(札幌市中央区)が三者一体となって進める、旧・札幌第一生命ビルディングの建て替え新築工事が6日、始動した。新施設名は、「D-LIFEPLACE札幌」、竣工は2023年5月を予定している。(写真は、新築工事が始まった「D-LIFEPLACE札幌」)

「D-LIFEPLACE札幌」は、地下1階、地上13階建て、高さ約60m、延べ床面積約4800坪(約1万5840㎡)。2020年度に見直しが行われた「札幌駅前通北街区地区地区計画」に新設された、容積率緩和ルールを適用した最初の開発案件。チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)の札幌駅側の起点に位置しているため、地下接続部は自然の光や緑が感じられるオープンスペースを設ける。

 このオープンスペースは、チ・カ・ホと地上の札幌駅前通を繋ぐ劇場型の空間構成となるため、新たな形の地域イベント(アート・ライブイベントなど)の開催が可能になる。また、災害時には収容人数約100人、72時間非常電源対応の避難者受け入れ場所として機能させる計画。

 北海道のオフィスビルなどでは、冬期に屋内から屋外への熱ロスを抑制することが環境性能向上のポイントになることから、高層階の窓は、開口面積を抑えつつ、採光や眺望が確保できる縦スリット型とする。併せて、外殻ダブルコラムの採用などによって、オフィス専有部の窓側に柱型をなくし、レイアウトしやすい設えにする。また、高層階の共用部には、オープンな設えの階段と一体となった、明るく開放的なリフレッシュスペースを設け、ワーカーのコミュニケーションや健康増進、多様化する働き方に対応する。これらの建築デザインにより、新施設は「CASBEE-スマートウェルネスオフィス(Sランク)」(CASBEE=建築環境総合評価システム)、「ZEB-Oriented」(年間の一次エネルギー消費量を40%以上減らした建築物)に相当する高水準の環境・ウェルネス性能を確保する。
 店舗は地下1階から地上1階の3区画、2階から13階がオフィス。設計は竹中工務店、施工は竹中・岩田地崎・伊藤共同企業体。

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