旭川を中心に小型の低価格スーパー「DZマート」を展開しているダイゼン(本社・上川郡鷹栖町)は16日、「DZマート芦別店」(芦別市)をオープンさせた。旧産炭地の同市で、新規にスーパーが出店するのはほぼ40年ぶり。新しくきれいな店内で買い物をしようと、開店前には100人以上が並んだ。人口減少地域への逆張り出店という新たな出店モデルと言えそう。(写真は、16日にオープンした「DZマート芦別店」)
(写真は、コープフーズの惣菜・弁当を導入した惣菜コーナー)

 出店場所は、芦別市北4条東1丁目9番地6で、「ホーマックニコット芦別店」、「ツルハドラッグ芦別店」、「マックスバリュ芦別店」が集まっているゾーン。かつては、駅前が商業の中心地だったが、現在はこのゾーンが中心地に変わっている。「DZマート芦別店」は、地域一番店の「マックスバリュ」店舗の道路を挟んだ向かい側。
 
 店舗の敷地面積は約984坪(約3247㎡)、建物は平屋建て、売り場面積は約280坪(約924㎡)。敷地は、借地と一部自社所有地、建物は自社物件。売り場には、100円ショップ「ワッツ」も導入して利便性を高めている。惣菜コーナーには、コープさっぽろ(本部・札幌市西区)の関係会社、コープフーズ(石狩市)の惣菜、弁当類約40SKU(在庫保管単位)を初めて導入、スイーツ売り場にも、コープフーズ商品を並べている。
 
 カップ麺や菓子類の陳列には、ジャンブルバスケットを導入、商品補充の手間を省くようにした。精算は、「DZマート美瑛店」(上川郡美瑛町)に次いで“カートイン・カートアウト”方式を採用、買い物かごをなくした。セミセルフレジ3台、会計機4台を設置した。
 芦別市では、芦別ポイントカード協同組合が住民に「Aカード」を発行、「マックスバリュ」、「フードD」ではポイントサービスを実施している。このため、「DZマート」では一部商品を除いて、「Aカード」のポイント相当分である1%を買い上げ、金額からその場で差し引くサービスも取り入れた。
(写真は、きれいに陳列されたエンドのある店内)
(写真は、カートイン・カートアウトの精算方式)

 芦別市の人口は、1958年には約7万5000人を超えていたが、炭鉱閉山とともに減少、現在は約1万2500人。この人口規模で食品スーパーは、前出の「マックスバリュ」と道北アークス(本社・旭川市)の「ラルズマート」、豊月(同・芦別市、本部・苫小牧市)の「フードD」の3店舗があり、今後も人口減少が進めば店舗存続も難しくなる。

 今回、ダイゼンは、こうした縮小する食品マーケットに進出、商機を掴むことにした。16日のオープン時に、「DZマート芦別店」の店頭に立った同社の柴田貢社長は、「人口が減少しているといっても、開店前には100人以上が並んでくれた。住民の皆さんが新しいスーパーを待っていたことを実感する。毎日低価格で販売することで期待に応えていきたい」と手応えを掴んだ様子。同店の初年度売上高は約2億円を目標にしている。
※2021年7月19日記事一部訂正しました。



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