マチの新陳代謝は、建物の解体・新築が大きな要素を占める。見慣れた建物が解体され、新しい建物が建設され、マチは生まれ変わっていく。札幌には今、中心部にも郊外にも数多くの新陳代謝の姿がある。札幌の今を記録する『札幌の今、解体ノート』の2回目は、札幌市白石区菊水元町5条3丁目の「湯めらんど」。(写真は、「湯めらんど」の解体工事現場)
前回、取り上げたのは菊水6条1丁目にあった「定食屋ジンベイ菊水元町店」の解体だった。今回紹介するのは、菊水元町5条3丁目の「湯めらんど」解体現場。住所だけではピンとこないかも知れないが、いずれも環状通沿いにあって距離も近い。
米里行啓通と環状通の合流点は少し変わっている。米里行啓通が右に大きくカーブを描きながら環状線と合流、その先は名前を厚別通に変えて続いていく。右にカーブを描きながら幹線と合流するのは、琴似栄町通と創成川通の交差点にやや似ている。ともあれ、「湯めらんど」は、米里行啓通と環状通の変形交差点の東西方向の角地にあった。
1997年12月に開業した「湯めらんど」は、いわゆるスーパー銭湯。大手資本によるチェーンとは違い、外観を含めて個性のあるスーパー銭湯として親しまれたが、2021年3月20日に23年間の営業を終了した。そして解体工事に入り、現在は鉄骨の骨組みが丸見えになっている状況。看板や環状通沿いにあるポールサインはまだ残っている。
敷地の面積は1473坪(4862㎡)と広い。土地所有者は個人2人となっている。元々は水田だったようで、1997年に宅地に地目が変更され、「湯めらんど」が建設された。それから四半世紀、役割を終えて更地になる日も近い。次は何に生まれ変わり、マチの風景を形づくっていくだろうか。