地上高くコンクリートの構造物が、突然目の前に現れた。新冠郡新冠町節婦(せっぷ)の節婦川に架かる節婦小橋を渡る辺りでは、少しばかり驚くような光景が広がっている。高さと硬さを放つ人工物が、まっすぐに伸びようとする意志を持っているかのようにそびえている。(写真は、新冠町節婦で行われている日高自動車道「節婦川橋」建設工事)
日高路を走る国道235号線は通称「浦河国道」と呼ばれている。海岸沿いの集落を幾度も通り抜け、海に近づいたり山に近づいたりしながら進む。シーズンになればコンブ漁を見ることもできる景勝の国道だ。そんな日高路で建設が進むのが、高規格道路「日高自動車道」。苫小牧市から浦河郡浦河町までの延長120㎞が計画され、2018年4月21日には、日高門別ICから日高厚賀ICの14・2㎞が開通、これによって苫小牧東ICから浦河までのほぼ中間に当たる59・7㎞が繋がった。
そして現在、建設工事が行われているのが、日高厚賀から静内IC(仮称)までの16・2㎞の区間。建設工事の様子は、浦河国道からはなかなか見ることができないが、節婦では写真のような光景を見ることができる。
山の中腹から伸びたコンクリートの道路とそれを支える2本の橋脚の姿は圧巻だ。国道から見上げると高さは40mほどある。橋は「節婦川橋」と名付けられ、半分ほどできている様子で、22年夏に完成する予定。地上から空高く伸びた2基のクレーンは、工事のリズムを刻むように空に弧を描いている。
日高厚賀ICから静内ICまでの工事期間は10数年とみられる。2030年頃には、「節婦川橋」を通ることができるようになる。