北ガス、道銀・常口アトムと連携して住宅賃貸事業参入、脱炭素化の流れを賃貸MSに

経済総合

 北海道ガス(本社・札幌市東区)は28日、住宅賃貸事業に参入すると発表した。北海道銀行(本店・同市中央区)と道銀の親密不動産賃貸仲介業の常口アトム(本社・同)と連携協定を締結、協力して取り組む。北ガスは、今夏に同事業の新会社を設立、道銀、常口アトムも出資を検討する。2040年までに100棟・3000戸を供給する。(写真は、北ガスの住宅賃貸事業参入の記者会見。左から常口アトム・成瀬司専務取締役営業本部長、北ガス・井澤文俊取締役常務執行役員経営企画本部長、道銀・清河智英専務執行役員本店営業部本店長兼中央支店長)

 北ガスは、2019年12月から道銀のアドバイスを受け新規事業を検討。北ガスのガス事業のノウハウを生かして、脱炭素化に必要なデジタルツールの知見を蓄積できる住宅賃貸事業にターゲットを絞り、参入することにした。
 住まいの省エネ化は、戸建て住宅や分譲マンションでは進んでいるが、20~30戸規模の賃貸住宅(賃貸マンション)ではあまり進んでいない。北ガスは、この分野で分譲マンション並みの断熱性や遮音性を確保するとともに、パネルヒーターや省エネ型給湯暖房器「エコジョーズ」などを標準装備、また太陽光発電とコージェネレーション等を活用した非常時の電力供給システムも設置、停電時の電力供給ができるようにする。

 1号物件として創成川イースト地区にある北ガス社有地の中央区北3条東5丁目に、戸数27戸(1LDK=約40㎡、10戸、2LDK=約60㎡、17戸)、鉄筋コンクリート壁式構造の地上5階建ての賃貸住宅を6月から着工する。設計は、長谷川和磨建築設計事務所(札幌市豊平区)、監理と施工は、サン建築設計(本社・札幌市東区)。22年1月に竣工、同年2月下旬から入居開始のスケジュールとなっている。家賃は未定。

 入居者は専用アプリによって、エネルギー使用量などがリアルタイムで分かるようにし、省エネ化に繋げてもらう。北ガスの井澤文俊取締役常務執行役員経営企画本部長は、「賃貸住宅でガスの良さを知ってもらうとともにデジタルサービスを通じてお客さまに満足してもらい、戸建てや分譲マンションに移る際には北ガスグループを選んでもらうきっかけにしたい。脱炭素化の流れの中で、省エネに次いでデジタルツールの活用も不可欠の要素。賃貸住宅を通じてノウハウを蓄積、家庭用全般の総合エネルギーサービスに生かしていきたい」と話した。
 なお、3社連携によって、常口アトムは入居者募集や賃貸管理、土地仕入れなど、道銀は取引先ネットワークを生かした建設会社の紹介などで協力する。

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