「洋服の青山」を展開する青山商事(本社・広島県福山市)は、新型コロナウイルス感染症の影響で業績が深刻な打撃を受けていることから、今後3年間で全体の2割に当たる160店舗を閉店する。また、正社員の1割に当たる約400人の希望退職も募ることにした。北海道には34店舗あり、数店舗は閉店対象となりそう。(写真は、道内の「洋服の青山」店舗)
同社が10日発表した2021年3月期の第2四半期(20年4月~9月)は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上高は610億6500万円と前年同期間比59・9%とほぼ半減した。また、138億5100万円の営業損失、169億3800万円の純損失になった。全店売上高は同52・9%、既存店売上高は同54・4%だった。
同社は、中長期的な業績の回復を目指した「ビジネスウェア事業再構築プロジェクト」に以前から取り組んでいるが、コロナの影響でスーツ・フォーマル市場の縮小が加速。コロナ後にも特にスーツ市場が以前の水準に戻る想定は困難として、「ビジネスウェア事業再構築プロジェクト」に閉店数の追加と人員削減を盛り込むことにした。
同プロジェクトでは3年間で85店舗の不採算店舗閉鎖を計画していたが、さらに75店舗を追加、トータルで現在の855店舗の2割に相当する160店舗を閉店する。人員削減では、21年3月末現在で40歳以上63歳未満かつ勤続5年以上の正社員及び無期契約社員を対象に400人程度の希望退職を募集する。
店舗閉店に伴う減損損失115億円と希望退職に伴う割増退職金などの損失40億円など特別損失に計上、21年3月期は売上高1203億円、142億円の営業損失、290億円の純損失を予想している。
「洋服の青山」は、北海道では札幌市の12店舗のほか、函館市、旭川市、釧路市、帯広市、北見市に各2店舗、滝川市、名寄市、岩見沢市、江別市、網走市、恵庭市、苫小牧市、小樽市、室蘭市、稚内市、新ひだか町、中標津町に各1店舗、計34店舗を出店している。道内でも閉店店舗が出てきそうだ。