経営コンサルティングとマネジメントサービスの西山マネジメントオフィス(札幌市中央区)が、民間学童保育事業に参入する。既に運営会社「Kids glow」(同)を設立、2021年4月から「キッズ・グロー宮の森校」(同)を開校する。道内で民間企業が学童保育事業を展開するのは珍しい。(写真は、Kids glowの西山一生代表取締役=左と粕谷真砂子専務)
民間学童保育に参入するきっかけとなったのは、西山マネジメントオフィスの粕谷真砂子さん(45)の発案によるもの。粕谷さんは夫の転勤で名古屋や静岡、河東郡音更町などに住み、フリースクール講師など教育関係の仕事をしてきた経験があった。札幌に住むようになってから西山マネジメントオフィスに勤め、自身の子どもを保育所に送り迎えする中で、札幌市立宮の森小学校の隣接地の更地を見つける。
かねて学童保育に関心を持っていた粕谷さんは、小学校隣接地という学童保育に最適な場所で民間学童保育の事業化を西山一生社長(35)に提案。西山社長も学童の時間を充実させたいという思いがあったことから今年7月、「Kids glow」を設立、西山氏が社長を兼務し粕谷さんは専務として民間学童保育に取り組むことになった。
事業化に際して首都圏で民間学童保育「スイッチスクール」を展開するヴィリング(東京都杉並区)と提携、ノウハウやマニュアルの提供を受けた。粕谷さんが目を付けていた更地約40坪(133・10㎡)を購入、木造3階建て、延べ床面積約76坪(252・98㎡)の建物を10月半ばに着工、21年3月上旬に竣工させる。
この建物を使って来春開校する「キッズ・グロー 宮の森校」の対象は、小学校1年生~6年生で初年度は15人、3年後には35人を受け入れる計画。対象範囲の小学校は宮の森小学校など6校で送迎も行う。学校終業後の午後3時から宿題やおやつ、自由時間を設け、午後4時半から同6時まではスイミングやヴィリングが展開しているプログラミング教育を取り入れた教室、SODATU-Labのスパルタ(東京都新宿区)と共同制作の体験型英会話教室などの習い事プログラムを設定する。
また、体験や学びのプログラムとして酪農体験や遠足などのイベントを行うキッズ・グローアカデミーも用意する。通常は放課後から午後6時半までだが、最長は午後9時までとして食事も提供する。月額の利用料は1~2年生週1コース1万2000円から、3~6年生週1コース1万1000円からで、レギュラー会員、スポット会員ともに入会金等が必要となる。
粕谷さんは、「発達段階にある子どもたちの五感を刺激するような学童保育を展開したい。これからの時代に活躍していける人材をここから輩出していけるようにしたいですね」と抱負を語っている。