北海道のオフィスビルの草分け!三菱地所が「北海道ビル」を2022年度内に閉館、解体へ

不動産マーケット情報

 三菱地所(本店・東京都千代田区)は、2022年度内に札幌駅前通にある「北海道ビル」(札幌市中央区北2条西4丁目1番地)の閉館を決めた。築57年が経過、将来的な再開発に向け決断した。(写真は、「北海道ビル」=2012年1月撮影)

 三菱地所は、1947年に札幌出張所を開設、北海道での事業を本格的に開始した。「北海道ビル」は、62年12月に開館、当時の東京・丸の内のオフィスビルと同等の設備を備えた大規模オフィスビルとして、北海道のオフィスビルの草分け的な存在になった。「北海道ビル」は、ビル内部に噴水を設置していたことや、「さっぽろ雪まつり」開催時にはビル内を休憩所として開放、市民からは「道ビル」として親しまれてきた。

 鉄骨鉄筋コンクリート造の地下2階、地上9階建てで敷地面積は768・16坪(2539・39㎡)、延べ床面積は7850・24坪(2万5591・21㎡)。61年6月に着工、当時は冬季に建設を一時中断するのが通例だったが、仮屋根を設けて屋根や周囲をビニールシートで覆い、内部を温風暖房にして凍結によって工事に支障がでることを防いだ。そのため工期も大幅に短縮、冬場に落ち込む建設業の雇用創出にも貢献した。

 2000年には外装を含めて全面リニューアル、北海道を象徴する赤レンガのタイルから、現在のアルミパネルに一新した。また、全館に個別空調も取り入れ、オフィスビルの新設が相次ぐ中で老舗ビルとして競争力確保に努めてきた。「北海道ビル」閉館後は解体し、新ビル建設を検討している。

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER