外食産業への逆風はここまで激しいのかーー。コロワイド(本社・横浜市西区)グループが展開するステーキ・ハンバーグレストランの「ステーキ宮」が、北海道の店舗を全閉店する。最盛期には道内で13店舗を展開していたが、採算悪化の状況にコロナ禍が重なりブランド撤退を決めた。オレンジ色の地に黒の「宮」の文字が印象的だった「ステーキ宮」の看板が、北海道で見られなくなる。(写真は、7月26日に閉店する「ステーキ宮 南郷通店」)
「ステーキ宮」は、ステーキと自家製ハンバーグを創業の味である「宮のたれ」で提供しているステーキ、ハンバーグのレストラン全国チェーン。「宮」の名は発祥の地、栃木県宇都宮市の「宮」に由来するという。
北海道では2000年頃に初進出したが運営が軌道に乗らず戦線を縮小。14年2月20日に「新道店」(北30条東20丁目3ー3)を海鮮和食の個室レストラン「ときわ新道店」跡に出店して13年ぶりの北海道再上陸を果たした。その後、当時コロワイドグループの北海道展開を行っていたアトム北海道(本社・名古屋市中区)は、居抜き出店や新設で「ステーキ宮」を13店舗まで増やした。
しかし、北海道舗は不採算店舗が多く、コロワイドグループの収益改善が急務となり一部は先行して閉店していたが、今年に入って道内の「ステーキ宮」の閉店を加速。1月20日で「新道店」(札幌市東区)、「帯広白樺店」(帯広市)、「西岡店」(札幌市豊平区)、「旭川大雪店」(旭川市)を閉店、同月23日に「厚別店」(札幌市厚別区)、同月27日には「手稲店」(同市手稲区)も閉店した。
これで一旦、閉店の波は止んだかに見えたが、今度はコロナ禍が襲い、客数が大幅に減少。コロワイドグループは、新しい生活様式の中で「ステーキ宮」のほか居酒屋の「いろはにほへと」など全国196店舗を閉店することを決めた。そのタイミングでアトム北海道の事業は、同じコロワイドグループのレインズインターナショナル(本社・横浜市西区)に譲渡され、同社が5月以降、道内店舗の閉店を進めてきた。
「ステーキ宮」は、今年1月に既に6店舗閉店していたが、さらに6月末に「恵庭店」(恵庭市)、「苫小牧店」(苫小牧市)、「桂店」(釧路郡釧路町)を閉店。現在は、「南郷通店」(札幌市白石区)、「北見夕陽ヶ丘店」(北見市)の2店舗で営業している。しかし、この2店舗も7月26日(日)で営業を終了することになった。これによって全13店舗は全閉店、再上陸から7年で「ステーキ宮」は北海道から姿を消す。外食産業への逆風は、地域からブランド撤退を迫るほど激しさを増している。