新潟県を中心に巨大ホームセンターを展開しているアークランドサカモト(本社・新潟県三条市)が、同業のLIXILビバ(同・埼玉県さいたま市)を、TOB(株式公開買い付け)などを通じて完全子会社化することを決めた。北海道のホームセンター業界にも影響を及ぼしそうだ。(写真は、LIXILビバが展開する「スーパービバホーム手稲富丘店」)
LIXILビバは、道内に8店舗を展開しており、アークランドサカモトはキムラ(本社・札幌市東区)などとの共同出資の関係会社「ジョイフルエーケー」(同・同)を持つ。LIXILビバを完全子会社することで、アークランドサカモトグループは、北海道に12店舗を有することになり大きな足掛かりをつかむことになる。
アークランドサカモトは、かつて単独で北海道進出を計画していたことがある。住宅資材卸販売のキムラも小売り分野への進出を検討していたため、アークランドサカモト15%、キムラ50%、さらに同じく巨大ホームセンターを展開しているジョイフル本田(同・茨城県土浦市)15%の共同出資で2001年にジョイフルエーケーを設立。現在は、「屯田店」(札幌市北区)や「大曲店」(北広島市)、「大麻店」(江別市)、「帯広店」(帯広市)を展開している。
道内のホームセンター業界は、地場のDCMホーマック(本社・札幌市厚別区)が道内80数店舗を展開し、ガリバーの座を固めている。数十年前にLIXILビバの前身、ビバホームが北海道に店舗進出してきたが、以降は本州資本の北海道進出は「ヤマキ」や「サンワ」(現在はDCMグループ)など限られていた。また、カインズ(本社・埼玉県本庄市)はアークスグループ会社がフランチャイズ店として1店舗を展開しているのみだった。
大きく局面が変わったのは、コメリ(同・新潟市南区)が2014年12月に「コメリパワー苫小牧東店」(苫小牧市)を出店してから。コメリは現在、大型ホームセンターの「パワー」業態の店舗を7店舗展開、さらに3店舗を計画するなど北海道を重点地域と位置付けている。
現在の北海道のホームセンター業界を例えると、揺るがぬ「DCMホーマック」、安定の「LIXILビバ」と「ジョイフルエーケー」、挑戦の「コメリ」という構図。そこへ、アークランドサカモトがLIXILビバ買収という変動要因を持ち込んでくる。「ジョイフルエーケー」を含めた再編が必至だ。