札沼線の北海道医療大学と新十津川間の廃線が近づいているが、11日から石狩当別と新十津川間で臨時列車が走り始めた。これまで石狩当別と新十津川間を結ぶ列車は1日1往復だけだったが、最終運行日までの土曜日、日曜日を中心に2両編成での2往復となり、別れを惜しむファンや地域住民に最後の雄姿を披露する。(写真は、列車交換して石狩月形駅を発車する臨時列車)
(写真は、交換で石狩月形駅に並ぶディーゼルカー)
これまで石狩当別を7時45分に発車し新十津川に9時25分に到着、折り返しで新十津川を10時に発車する列車が最終だった。全国で最も早い時刻に発車する最終列車として知られていた。臨時列車は、石狩当別を11時45分に発車し新十津川に13時9分に到着。折り返しで14時6分に発車、石狩当別に15時39分に到着する。
札沼線の石狩当別と新十津川間で列車交換がある石狩月形駅ではこれまで1日3回の交換だったが、11日から土日を中心に4回の交換がみられるようになった。
新十津川を14時6分に発車した臨時列車は、交換する列車よりも早く石狩月形に到着する。6分後に石狩当別発浦臼行きの列車が到着、島型ホームに2つの気動車(ディーゼルカー)が3分間並ぶ。15時6分に石狩当別に向けて臨時列車が先に発車、その2分後に浦臼行きが発車する。こうした列車交換があるのは、この他に8時台と16時台、18時台。
臨時列車の運行で廃線は秒読み段階に入ったが、JR北海道(本社・札幌市中央区)では北海道医療大学と新十津川間の最終運行日を当初の5月6日から前倒しする方向で検討を始めたという。新型コロナウイルスの感染拡大を避けるための措置。外出自粛で人が多く集まるイベントや大会が相次いで中止や延期になっており、最終運行を前倒しすることで人が密集することを防ごうというのが狙い。電化されて利用客が多い札幌と北海道医療大学間を除いた区間は、まもなく85年の歴史を閉じる。コロナ禍でラストランも異例の局面を迎えている。