コープさっぽろとべつかい乳業興社が資本業務提携、飼料米食べさせた乳牛から搾った生乳と加工品を共同開発へ

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 コープさっぽろは、別海町が出資する第三セクター、べつかい乳業興社に資本参加し、乳製品の共同開発を行うことで合意した。コープさっぽろは数年前に別海町に店舗進出、町との関係が深まり、昨年から道産飼料米を食べさせた同興社の乳牛から搾った生乳を「黄金そだちの別海牛乳」として道内のコープ約50店で販売している。資本・業務提携を機に「黄金そだち」の生乳を原料に、アイスクリームやチーズなどの乳製品開発を進め、コープの店頭で販売していく計画。(写真は、事業連携協定の調印を終えた大見英明理事長=左と磯田俊夫社長)
 
 資本参加と事業連携に伴い、コープさっぽろの大見英明理事長とべつかい乳業興社の磯田俊夫社長(別海町副町長)が5日、コープ本部で連携協定書に署名した。
 
 同興社は、資本金1億円で町やJA別海、JA道東あさひ、JA計根別などが出資。コープは町が60%保有する株式のうち3%を300万円で取得した。コープがこうした生産者組織に資本参加するのは今回が初めて。
 
 コープさっぽろは、休耕田を利用した稲作を後押し、そこでできた飼料米を食べさせた牛や豚、鶏などから獲れる牛乳や卵、畜産品を黄金そだちシリーズとして店舗や宅配で販売している。
 
 べつかい乳業興社の「黄金そだち別海牛乳」は昨年から取り扱いを始め、一般の牛乳を含めて同興社の年間出荷量約1700㌧のうち3割がコープ向け。
 
 今回の資本・事業連携で関係強化を図り、「黄金そだち」の生乳を使った乳製品の共同開発を進めて、コープが全道で展開する107店舗と宅配で販売していく計画。
 
 ただ、同興社は新規酪農就農者の研修牧場という位置づけのため生乳生産量には限界がある。「現状の1700㌧で能力は目いっぱいのため“黄金シリーズ”の生産も限られている。 今後、興社の牧場以外の管内農家で黄金シリーズに理解のある生産者の協力を仰いで生乳生産量を高めていきたい」(磯田社長)としている。
 
 大見英明理事長は、「別海の乳業資源の価値を高めていくように相互連携を進めていく。資本参加で経営の中身の開示も受けられるようになるので両者が定期協議するなどパートナーとして利用・普及・啓発に取り組んでいきたい」と語った。

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