札幌大通ライオンズクラブ(岩波剛会長)と北海道ハンディキャップスキー協会(小林俊勝会長)は18日、札幌テイネ聖火台オーシャンコースを舞台に道内の身体・知的障害者66人が参加したスキー大会を開催した。例年行われているこの大会は、ハンディキャップスキーヤーたちが技量を競うとともに家族やボランティアたちの交流の場にもなっている。選手たちは、雪が降り止まない悪天候の中を1本スキーやチェアスキーで元気良くゴールに滑り込んでいた。(写真は、チェアスキーでアルペン競技に挑む選手とガイド)
この大会は、第16回札幌大通ライオンズクラブ杯ハンディキャップスキーメモリアル大会と第33回全道ハンディキャップスキー大会を兼ねて行われた。毎年この時期に開催されている恒例の大会で、2005年から全道ハンディキャップスキー大会を兼務する現在の開催形式になった。
道内各地から66人が参加し、約500mのAクラス(上級)、約300mのBクラス(中級)、約80mのCクラス(初級)に分かれて旗門を通過するアルペン種目でタイムを競い合った。
この時期としては珍しく横風が強く、時おり雪が激しく降って視界が遮られる悪天候。その中を1人で駆け抜けていく障害者やガイドとともに旗門を通過していくチェアスキーに乗った障害者など、約3時間に亘ってゲレンデはスキーをする楽しさと喜びに交じって闘志が漲る舞台になった。
実際の競技タイムで順位を決めるタイムレースと申告したタイムと競技タイムの差が小さい選手から順位を決める申告タイムレースでA、B、Cの各クラス上位3人が記念のメダルや盾を授与され、表彰された。
(写真は上は、チェアスキー表彰者、下はBクラスに出場して表彰された岩谷航汰君)
大会では、札幌大通ライオンズクラブの単独主催だった第2回から札幌稲雲高校の生徒と教諭がボランティア参加しており、この日も80人を超える生徒が運営に協力、障害者と接する社会教育の一環にもなっている。
道ハンディキャップスキー協会の小林会長は、「選手たちの活躍は多くの障害者に『やれば出来る』という夢や希望を与え、北海道の冬を楽しむ障害者スキーの発展に繋がっていく」と大会の意義を語った。
実際にこの大会で技術を磨き、世界選手権やパラリンピック大会に出場した選手も輩出しており、障害者のスキー技術を競い合う場として欠かせない大会になっている。
(写真は、シーハイルの三唱を呼びかける野呂幸司氏)
クラブハウスで行われた閉会式の最後には、同ライオンズクラブ会員で道ハンディキャップスキー協会参与の野呂幸司氏の音頭でスキー万歳の意味があるドイツ語の『シーハイル』を選手やボランティア参加者全員で三唱、来年再び集うことを誓って今年の大会を終えた。