札幌市内でオフィスビルやシティホテルなどを所有運営しているキタコーは、昨年から北広島市内でパブリック制のゴルフ場「ダイナスティゴルフクラブ」の営業を始めたが、都心に近く低料金でプレーできるとあって来場者が増加、人気を集めている。メンバー制ゴルフ場の多くは集客に苦戦しているが、平日5000円、土日祝は7500円という格安料金で楽しめるため、ゴルフを控えていた潜在客の掘り起こしに繋がっているようだ。(写真は、王朝(ダイナスティ)風にリニューアルしたクラブハウス)
「ダイナスティGC」は、もともとは札幌後楽園カントリーとして営業してきたメンバー制ゴルフ場だった。2006年に同カントリーはメンバーに預託金を返還したうえでコースを外資のモルガン系ファンドに売却、パブリック制の「セントレジャーゴルフクラブ札幌」として07年から再スタート。しかし、モルガン系ファンドも昨年4月に転売、キタコーが4億円で取得し新たな事業主になった。
キタコーは、27ホールのコースを再整備すると共にクラブハウスをリニューアル、昨年8月にコース名を「ダイナスティGC」に変えて本格的に営業を始めた。
コースでは「ゴールド会員」と呼ぶ個人年次会員制を導入、年会費1万500円(税込)を払えば、平日7500円を5000円、土日祝1万2500円を7500円と約40%安くなるため年次会員は2500人に達した。
昨シーズンの入場者は3万3284人で前年度より12%増加、札幌市内や近郊のゴルフ場の中で入場者伸び率は石狩川江別GC(41・5%増)、廣済堂トムソンCC(15・1%)に次ぐ3番目の伸びを示した。
ダイナスティGCでは、4月後半の今シーズンオープン向けて、個人会員に加えて法人や団体向けの年次会員制「プレジデント会員」の募集も始めている。こちらは、年会費5万2500円(税込)でプレー料金はゴールド会員と同じ低料金になるほか、無記名4人まで格安料金の適用になる。
また、法人や団体がコンペを開催する場合は参加者全員が会員料金でプレーできるメリットもあるほか、キタコーが運営しているダイナスティホテル(札幌)の無料宿泊券の贈呈、提携している飲食・物販店で10~20%の割引サービスも受けられる。
キタコーの草野馨会長は、「プレジデント会員は所属する法人や団体の誰でも利用できます。福利厚生に最適で500社・団体の加入を目指したい」としている。
ゴルフ場といえば、預託金会員を集めたメンバー制が主流。しかし、メンバーと同伴でなければ一般のビジターがプレーできないなど集客の足かせになっているのが実情。パブリック制は誰でもプレーでき低料金のため、「ゴルフ場の敷居が低く、不況でゴルフを控えているファンの掘利起こしに繋がっている」(ゴルフ場関係者)
草野会長は、「バブル時代は社用としてゴルフを楽しむ人が多かったが、今では健康的なアウトドアスポーツとして新たな楽しみ方に変化してきた。女性客や若年層に低料金でプレーしてもらえるサービスを提供したい。1人でコースに来ても気軽にコンペや競技会に参加できるフレンドリーなコースにしたい」と新しいゴルフ場の提案をしていくという。レストランの食事も地元食材をふんだんに使った料理を提供する考えで、「エゾシカ肉を使った食事など地元密着で親しんでもらえるように工夫したい」と草野会長は語っている。
問い合わせは、ダイナスティゴルフクラブ(電話011-376-2611)
http://golf.dynasty-resort.jp/