食品スーパー(SM=スーパーマーケットの略)にとって12月は通信簿の月とされる。1年間の営業成績の平均値が12月の売上高に反映するからだ。北海道に本社を置く上場SM4社の2019年12月の成績はどうだったか。(写真は、北雄ラッキー「倶知安店」)
まず、アークス(本社・札幌市中央区)。売上高は全店ベースが前年同月比99・8%、既存店ベースも同99・5%と前年を超えられなかった。11月は暦の関係で土曜日が前年より1回多かったこともあって全店、既存店ともに前年を超えたが1ヵ月ぶりに再び前年割れになった。
客数も全店が98・8%、既存店が98・6%で19年4月以降、9ヵ月連続で前年割れとなった。客単価は全店が101・0%、既存店が100・9%となった。
マックスバリュ北海道(本社・札幌市中央区)は、全店ベースが前年同月比102・1%、既存店ベースが同101・5%だった。生鮮品は好調で総菜部門が牽引、農産、畜産も伸びた。ただ、昨年10月の増税の影響が続いており非食品系は伸び悩んだ。客数は前年並み、客単価はやや上昇している。
北雄ラッキー(本社・札幌市手稲区)は1年間新規出店も閉店もなかったため全店と既存店が同じ数値になるが、売上高は前年同月比95・6%と厳しい結果になった。「12月の20日までは前年よりも厳しい売り上げだったが、21日以降に盛り返した」(広報)。売り上げ総利益率の30%近くを占める衣料品部門は増税の影響で振るわなかった。客数は96・4%、客単価は99・2%になった。
ダイイチ(本社・帯広市)も全店と既存店が同じ数値だが、12月は前年同月比102・2%と前年を超えた。昨年の9月は胆振東部地震の反動減で96・1%と前年割れだったが、10月以降は前年超えのペースを保っている。客数も101・5%、客単価も100・7%だった。
SM各社に共通しているのは、ハレの日の消費が大きく伸びなくなってきたこと。数年前からその傾向が続いておりクリスマス、正月の定番商品はかつてほどの伸びはなくなっている。とりわけ19年のクリスマス商戦は23日の休日がなくなったこともあって伸び悩んだ。また、年末商戦も年々前倒し傾向が強まっている。19年も最後の28~29日が良くて30~31日は振るわなかったという。