道内のプロレスファン悲鳴、ススキノ「マルスジム」閉館

社会・文化

 札幌ススキノにある格闘技&フィットネスクラブのススキノ・マルスジム(南5西8)が18日で閉館・移転した。道内のプロレスの聖地と言われたテイセンボウルが建物の老朽化によって2015年6月に閉館、その受け皿として多くのプロレス団体が興行を行っていた新しい北の聖地の突然の閉館の知らせに、興行予定だった団体やファンからは困惑が広がっている。
(写真は、閉館した「マルスジム」と移転を知らせる貼り紙)

 マルスジムは、全日本プロレス、大日本プロレスなどのプロレス興行のほか、格闘技やボクシングの会場にもなっていた。また、本格的な格闘技を習えるほかフィットネスジムとしても使用されていた。

 マルスジムが19日に公式Facebookで発表する前に、大日本プロレスがホームページで「札幌大会についての重要なお知らせ」を掲載。そこには、《2020年4月11日(土)、12日(日)開催予定の大日本プロレス・札幌マルスジム大会ですが、マルスジムが急遽閉館となったため、大日本プロレスでは、代替会場を調整中です》と書かれていた。

 また、DDTプロレスリングも19日のホームページで、《札幌市内の会場、ススキノ・マルスジムの閉館が急きょ決定したため、5月17日(日)開催予定の大会を中止させていただきます。北海道内での代替会場につきましては現在調整中です》と掲載している。

 Twitter上では突然の閉館に対して《また札幌の会場難が始まるのか》、《札幌でプロレスやる箱無いじゃん》、《地方のプロレス会場がどんどん失くなっていくなあ…》、《プロレスの聖地が減っていくのはさみしい》など衝撃が広がっている。

 マルスジムはその後、公式Facebookで移転理由について、《マルスジムでは2020年からセントラルプラザビルのオーナーさんの意向でプロレスや格闘技等のイベントは近隣住民からの長年の苦情で、今後は「やらせることは出来ない」との通達を管理会社から言われ、イベント会場として使用できないのであれば「私達もこの場所でジムをやっている意味がない」と意思を伝え、移転することになりました》(原文のまま)と記している。

 その上で、《プロレス団体様や格闘技のイベントが6月まで決まっている部分については「興行を開催させてやることはできないか」と管理会社に伝え、何度か電話や直接会って交渉もしましたがオーナーさんの意向は変わらないとの返事でした。現在もプロレス団体様からの気持ちや条件等を伝えて交渉しております。ご迷惑をおかけしますが、ご了承ください》(原文のまま)とファンに呼び掛けている。

 マルスジムは、18日から練習場所を札幌市中央区南6条西11丁目のマチュレザムビル202号に移転したことを告知しているが、そこも3月迄の仮の練習場所としている。
 Twitter上に溢れた道内のプロレスファンの悲痛な叫びは察するに余りある。プロレス“北の聖地”が次々と失われていくことに歯止めはかからないものか。

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