札幌市厚別区の「新さっぽろ駅」周辺で始まっている大規模複合開発プロジェクト。大和ハウス工業(本社・大阪市北区)や大和リース(同・同市中央区)のほか、新札幌地区の医療法人など6者で構成するコンソーシアムが公募提案型入札で取得した市営住宅下野幌団地跡を活用、マンションや医療機関、大学等などの建設に総額500億円を投じるビッグプロジェクトだ。その中で建設が予定されているホテルは「ラ・ジェント・ステイ」になる見通しだ。(写真は、「ラ・ジェント・ステイ札幌大通」)
(写真は、新さっぽろ駅周辺大規模複合開発プロジェクトの全体配置図=大和ハウス工業ニュースリリースより)
「ラ・ジェント・ステイ」は、大和ハウス工業が事業者として建設、竣工後はABアコモ(本社・東京都千代田区)がホテル運営を担うケースが多い。道内では2016年8月2日にオープンした「ラ・ジェント・ステイ札幌大通」(札幌市中央区、219室)、19年12月1日にオープンした「ラ・ジェント・ステイ函館駅前」(函館市、261室)の2棟があるが、いずれもABアコモが運営している。
新さっぽろ駅周辺で進められている大規模プロジェクトのホテル棟は大和ハウス工業が手掛ける道内3棟目の「ラ・ジェント・ステイ」になる予定。ホテルの敷地面積は約733坪(約2420㎡)、建築面積は約539坪(約1780㎡)。鉄筋コンクリート造、地下1階、地上12階建てで客室数は約220室、延べ床面積は約4333坪(約1万4300㎡)。工期は21年6月から23年3月で開業は23年4月以降が予定されている。
「札幌大通」と「函館駅前」には、長期滞在用にシステムキッチンや家具家電一式を完備したサービスアパートメント仕様の客室をそれぞれ18室、4室を用意しており、新札幌も同様の機能を持つ客室が併設されそう。また、いずれのホテルも災害時に防災医療拠点となるER機能(エマージェンシーレスポンス=都市災害時に近隣住民の災害対策本部の役割を果たす機能)を持っており、新札幌もER機能を持つことになりそうだ。
新さっぽろ駅周辺は、「ホテルエミシア」の512室、「新さっぽろアークシティホテル」の135室がある程度で副都心と称される割にはホテルの数が少ない。23年春開業の「ラ・ジェント・ステイ」でようやく800室を超えることになる。